映画【ゴジラ×コング 新たなる帝国】感想(ネタバレ):コングの冒険とゴジラの激闘！地下文明で描かれる新たな怪獣神話

●こんなお話

　さらに秘境の地球の内部にいる怪獣がコングと戦ってゴジラとかモスラもそこに参戦していく話。

●感想

　ゴジラは地上に住み、放射能を求めて世界中を移動しながら、地上に現れる怪獣たちを次々と倒している。一方のコングは、地球内部の「空洞地球」と呼ばれる地下世界に拠点を構え、別の生態系の中で暮らしている。そんな中、コングは虫歯に苦しみ、人間の助けを求めて地上世界に姿を現す。地上の獣医が治療を施す姿が、ちょっとしたユーモアとして描かれていたのも面白かったです。

　そのころ、謎の電波が地上に届き、人類はその発信源を探るべく調査を開始。コングとともに地下世界へ再び向かう探検隊が結成され、そこでかつて高度な文明が存在していた都市の遺構が発見される。そこには「スカーキング」という古代の怪獣が君臨していて、かつて地上を征服しようとしてゴジラに敗れ、地下世界に封印された存在だった。スカーキングは今でも他の怪獣たちを支配し、コングはその奴隷のように扱われている怪獣たちを救おうとする。

　だがコングは冷凍能力を持つ怪獣に敗北してしまい、一度地上に撤退。人間たちの手当てで腕の怪我を治療し、武装の強化もされて再び立ち上がる。地上ではゴジラに協力を求めるが、最初は反発し合って喧嘩になる。それでも地下世界の危機に対して、モスラの復活を通して和解。少女の超常的な力によって蘇ったモスラが両者を仲介し、再び地下世界へと向かう。

　そして地下ではスカーキング、冷凍怪獣、ゴジラ、コングが激突。バトルは壮絶を極め、最終的にゴジラとコングの共闘で敵を打ち破る。戦いの後、ゴジラは地上に戻ってエネルギーの回復を図り、コングは地下に残って支配から解放された怪獣たちと共に、新たな秩序を築いていくのであったという。

　映像としては、全編にわたってCG描写が非常に多く、背景もキャラクターもデジタル処理で満たされているます。そのため、好みの問題かもしれないですが、バトルが続くと眠気に襲われてしまいました。ゴジラメインやコングメインの戦いは派手ではあるけれど、ずっと同じように見えてしまう部分もあったり。

　とはいえ、地下世界の結晶に満ちた空間で繰り広げられる人間たちの会話劇や、コングが『アポカリプト』のような罠を仕掛けて逃げるシーンなどは、意外性があって楽しかったです。コングが主人公で、ゴジラが脇に回り、地下文明の少女が鍵を握る展開は突飛ですが、それが逆にこのシリーズの魅力。怪獣たちのバイオレンスな社会描写も予想外に面白く、新しい方向性を感じられてよかったです。

☆☆☆

鑑賞日:2024/04/29 イオンシネマ座間