映画【バレリーナ:The World of John Wick】感想(ネタバレ):復讐に生きる暗殺者の物語

From the World of John Wick: Ballerina
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●こんなお話

 父を殺した殺人教団にリベンジしようとする話。

●感想

 少女イヴは父と共に静かに暮らしていたが、ある夜、正体不明の集団による襲撃を受ける。父は娘を守るため奮闘し、命と引き換えに彼女を逃がした。生き延びたイヴはニューヨークにある暗殺者たちの中立地帯、コンチネンタルホテルへ辿り着き、支配人ウィンストンに保護される。彼女は父がかつて属していた暗殺集団ルスカ・ロマの庇護を受け、その教えを徹底的に叩き込まれることとなる。バレエの優雅さと暗殺術の冷徹さを兼ね備え、イヴはやがて「キキモラ」と呼ばれる暗殺者へと成長していった。

 12年に及ぶ厳しい訓練の末、彼女は初めての任務に臨む。対象を暗殺から守るという役割を担い、迫り来る刺客たちを退けていく。やがて父の命を奪った集団と遭遇した彼女の胸には復讐の炎が燃え上がるが、組織とその敵対勢力の間には停戦協定が結ばれており、復讐の道を進むことは禁じられていた。ディレクターからは戒めを受けるが、イヴの心は揺らぐことなく、復讐への意志を深めていく。

 やがてウィンストンからプラハのコンチネンタルに潜むカルトの一員ダニエル・パインの存在を知らされると、イヴは彼が連れていた少女エラを守ることを決意し、プラハへ赴く。激しい戦闘の末、彼女はカルトの本拠地がオーストリアの雪深い村にあると突き止める。そこで待っていたのは宿敵チェンセラー、そして教団側に身を投じていた“姉”レナであった。再会の喜びは束の間、激しい襲撃に巻き込まれたレナは命を落とし、イヴは深い悲しみとさらなる復讐心を抱えることになる。

 停戦協定を破ったことでルスカ・ロマからも追われる立場となったイヴには、処分を下す役目としてジョン・ウィックが送り込まれる。ジョンは彼女に村を去るよう促すが、復讐を諦める意思はなかった。ジョンは「夜明けまでにチェンセラーを倒し、立ち去れ」と言葉を残し、去っていく。

 雪の館で繰り広げられる最終決戦。吹雪が渦巻く中、イヴは剣や火炎放射器を駆使し、チェンセラーと壮絶な戦いを繰り広げて、チェンセラーを射殺してイヴは殺し屋の世界で生きていくことになっておしまい。


 手榴弾が飛び交い、火線が交錯する終盤の戦闘は非常に迫力があり、殺し屋の世界ならではの非情さと、どこか様式美のようなものが同時に描かれていたクライマックスだったと感じます。爆発音と銃声が途切れなく続き、登場人物たちが次々と倒れていく様子は、容赦のなさを前面に押し出した演出で、シリーズの中でも特に暴力描写が強めな印象を受けました。

 火炎放射器による応酬バトルや、手りゅう弾の連続爆発といった派手なアクションは、純粋にアクション映画として楽しめる要素が詰まっています。炎と爆風で画面が埋め尽くされる場面はインパクトが強く、頭を空っぽにして観られる爽快さがあります。その一方で、会話シーンではシリーズ特有の抽象的で回りくどいやり取りが多く、物語の進行がやや停滞して感じられる場面もありました。アクションが途切れず続く構成も相まって、集中力が削がれ、少し眠気を誘う感覚があるのも、このシリーズらしい特徴の一つだと感じます。

 今回登場するイヴという新たなキャラクターは印象的で、彼女の復讐に突き動かされる姿は、物語に新しい視点をもたらしています。個人的な怒りや喪失感を抱えながら戦いに身を投じていく姿は、これまでのシリーズにはなかった感情の軸として機能しており、世界観を広げる役割を果たしていました。全体として荒削りな部分は多いものの、過激なアクションと新キャラクターの存在によって、最後まで飽きずに観ることができる作品だったと感じます。

☆☆☆

鑑賞日:2025/08/30 イオンシネマ座間 2026/01/25 Amazonプライム・ビデオ

監督レン・ワイズマン 
脚本シェイ・ハッテン 
出演アナ・デ・アルマス 
アンジェリカ・ヒューストン 
ガブリエル・バーン 
ランス・レディック 
カタリーナ・サンディノ・モレノ 
ノーマン・リーダス 
イアン・マクシェーン 
キアヌ・リーブス 
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