●こんなお話
旅の一座が寄った先で旦那がそこで20年前に関係を持ったご飯屋の主人と生まれた子供がいて、内縁の妻が嫉妬してさあ大変な話。
●感想
こんなに日本の風景って豊かなのかという青い空や赤い郵便ポストに茶色や白い家のカラーの迫力が凄くて、そこで当時の本物の役者さんたちのお芝居が堪能できる作品でした。
旅の一座が南の方の島にやってくると情報が地元の人たちに入って、旅の一座がちんどん屋をして宣伝して夜に芝居小屋でお芝居をする。その間に主人が昔関係を持ったご飯屋の女将さんのもとにいって、そこで産んだ自分の息子に会うのが楽しみで、しかもおじさんと噓をついて将棋をしたり釣りをしたり。このときの中村鴈治郎さんの飛び跳ねて嬉しそうにするお芝居が面白かったです。
若い旅芸人たちは地元の女の子と何とかできないかと動いたり、主人の内縁の妻が主人と関係を持った女将さんと息子がいると知って、嫉妬から息子に自分のところの若い女性をそそのかして2人をくっつける。それを知った主人は内縁の妻を勘当して追い出してしまう。ここの内縁の妻の気持ちもわかって嫉妬してしまう。この時の行動が最初にご飯屋の女将さんに挨拶に行って主人がブチ切れるくだりとか酷くて「ドアホ!」「お前とは人種が違うんじゃ」と怒鳴り散らすのとか、なかなかの酷さっぷりに笑えました。その後も息子に変な虫が近づいていることを知り、しかもその原因が内縁の妻だと知り、2度目のブチ切れシーンも内縁の妻がかわいそうになりました。
芝居小屋が不入りになりスタッフたちに不満がたまり、お金を持ち逃げされて一座は解散になる。1人ぼっちの主人に内縁の妻が一緒に再起しようと汽車に乗る。若尾文子さんの献身っぷりが凄い映画でした。
☆☆☆
鑑賞日:2021/09/26 NETFLIX
リンク
| 監督 | 小津安二郎 |
|---|---|
| 脚本 | 野田高梧 |
| 小津安二郎 |
| 出演 | 中村鴈治郎 |
|---|---|
| 京マチ子 | |
| 若尾文子 | |
| 浦辺粂子 | |
| 三井弘次 | |
| 潮万太郎 | |
| 伊達正 | |
| 島津雅彦 | |
| 田中春男 | |
| 中田勉 | |
| 花布辰男 | |
| 藤村善秋 | |
| 丸井太郎 | |
| 入江洋佑 | |
| 星ひかる | |
| 杉村春子 | |
| 川口浩 | |
| 笠智衆 |


