映画【アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ】感想(ネタバレ):火と灰で描かれる新部族とパンドラの戦い

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●こんなお話

 火の民という新たな存在との出会いによって、パンドラの争いがさらに複雑になっていく話。

●感想

 パンドラで家族と穏やかに暮らす元海兵隊員ジェイク・サリーと、ナヴィの戦士ネイティリの一家は、長男ネテヤムを失った悲しみを抱えながら日々を過ごしているが、その喪失は一家の心に深い影を落とし続け、ジェイクとネイティリは戦いによって刻まれた傷や怒りを抱えたまま、それぞれの方法で前へ進もうとしている。
 やがて人類側組織RDAの動きが再び活発化し、ジェイクたちは新たな脅威から身を守るため、地表近くを航行するウィンドトレーダーと呼ばれる遊牧的な飛行船への移動を計画するが、その最中、火と灰を操るナヴィの一族であるアッシュ族の襲撃を受け、船は炎に包まれる。
 アッシュ族は火山地帯に根を下ろす過酷な環境で生きており、自分たちはエイワに見捨てられた存在だと信じ、その絶望と怒りを力に変えてきた一族で、族長ヴァランは復讐心と疑念から人類と手を組むという危険な選択を取る。
 襲撃の混乱の中でジェイク、ネイティリ、そして子どもたちは離れ離れになり、ネイティリは重傷を負いながらも別のナヴィに救出される一方、ジェイクは子どもたちの行方を追い、戦場と化した空と大地を駆け巡ることになる。
 人間の少年スパイダーは逃走中に酸素マスクの故障によって窒息の危機に陥るが、キリはエイワと深く交感することで儀式的なトランス状態へ入り、スパイダーの身体そのものを変化させ、パンドラの空気を直接呼吸できる存在へと適応させる。 
 やがて子どもたちはアッシュ族に囚われ、ジェイクはかつての宿敵であるクオリッチと一時的に手を組み救出に向かうが、クオリッチは裏でアッシュ族に武器を供給し、争いをさらに激化させていく。
 その後、ジェイクとスパイダーはRDAの拠点ブリッジヘッド・シティに捕らえられ、処刑や人体実験の危機に直面するが、ネイティリや仲間たちの助力によって脱出を図り、戦いはパンドラ全土を巻き込む規模へと拡大する。
 各地のナヴィ族が集結し、タルクン類の繁殖期という自然の循環を利用した総力戦が始まり、海と森、空と大地を舞台にした激しい戦闘が繰り広げられるなか、ヴァランはキリと対峙した末に姿を消し、クオリッチもまた火の中へと落ち、その生死は明確に語られないまま物語は次の局面へと進んでいく。
 戦いの後、スパイダーはキリと共にエイワの霊的領域へ導かれ、祖霊との交感を通じて正式にナヴィの一員として受け入れられ、家族と種族のつながりは新たな形へと変化し、パンドラと人類の未来は続いてくでおしまい。


 相変わらずネイチャードキュメンタリーを見ているかのような映像の美しさで、スクリーンに広がる自然描写には思わずうっとりしてしまいました。
 水、火、空気といった要素の表現は細部まで作り込まれており、映画館で観る価値のある映像体験だと感じました。
 アクションシーンも非常に多く、空中戦や地上戦、海での戦闘まで盛り込まれていて、物量的にはかなり満腹感のある内容でした。
 一方で、描かれている構図自体はこれまでのシリーズと重なる部分が多く、人類による侵略と原住民の抵抗、自然と文明の対立というテーマは既視感を覚えやすい印象も受けました。
 激しいアクションが続く点は純粋に楽しい反面、似た展開が繰り返されることで少し食傷気味に感じたのも正直なところです。
 家族こそが砦であるというメッセージや、人質になっては助けに行くという展開も何度か重なり、同じ場面を見ているように思える瞬間がありました。
 上映時間については、内容が濃い分だけやや長く感じられ、体感的には三時間が少し重たく感じられましたが、それでもシリーズファンにとっては世界観に浸れる一本だと思います。

☆☆☆

鑑賞日:2025/12/23 イオンシネマ座間

監督ジェームズ・キャメロン 
脚本ジェームズ・キャメロン 
リック・ジャファ 
アマンダ・シルヴァー 
原案ジェームズ・キャメロン 
リック・ジャファ 
アマンダ・シルヴァー 
ジョシュ・フリードマン 
シェーン・サラーノ 
出演サム・ワ―シントン 
ゾーイ・サルダナ 
シガーニー・ウィーバー 
ウーナ・チャップリン 
スティーブン・ラング 
クリフ・カーティス 
ジョエル・デヴィッド・ムーア 
CCH・パウンダー 
イーディ・ファルコ 
デイヴィッド・シューリス 
ジェマイン・クレメント 
ジョヴァンニ・リビシ 
ブリテン・ダルトン 
ジェイミー・フラッターズ 
トリニティ・ジョリー・ブリス 
ジャック・チャンピオン 
ブレンダン・カウエル 
ベイリー・バス 
フィリップ・ジョルジョ 
デュアン・エヴァンス・Jr 
ケイト・ウィンスレット 
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