映画【アウトレイジ ビヨンド】感想(ネタバレ):関西の波が関東を揺るがす――広がる抗争の行方

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●こんなお話

 関東と関西のヤクザの喧嘩の話。

●感想

 関東のヤクザ組織に関西の勢力が介入し、その組織が次第に揺らいでいく様子が描かれています。前作では同じ組織内の争いが中心でしたが、今回は外部からの介入によって抗争の範囲が広がり、新たな展開が生まれています。

 登場人物たちは現在の状況や背景を詳細に言葉で説明する場面が多く、これにより映像が持つ独特の空気感や余韻が控えめになっている印象を受けました。北野映画の特徴である、静かな画面での緊張感や表情の変化で語られる部分はやや少なくなっていると感じました。

 物語の中では組織の上層部が会議を重ね、今後の方針を決めていくシーンが繰り返されます。若い構成員たちが親分に振り回される様子や、組織内での力関係の変化が丁寧に描かれており、ヤクザの世界における人間模様がよく伝わってきました。

 大きな勢力を持つヤクザたちが次々に捕まったり命を落としたりする場面は、物語に緊張感を与えます。怒声を上げるシーンも多く見られますが、登場人物たちの心情や葛藤が丁寧に表現されているため、物語に深みが加わっていると感じました。

 全体を通して、静かな映像と重厚な会話により、ヤクザの世界の複雑さと人間の弱さが浮かび上がっております。力と暴力の裏にある男たちの苦悩が、じわりと胸に響く作品であると感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2013/04/12 Blu-ray 2017/10/07 Blu-ray

監督北野武 
脚本北野武 
出演ビートたけし 
西田敏行 
三浦友和 
加瀬亮 
中野英雄 
松重豊 
小日向文世 
高橋克典 
桐谷健太 
新井浩文 
塩見三省 
中尾彬 
神山繁 
田中哲司 
名高達男 
光石研 
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