映画【リベリオン】感想(ネタバレ):クリスチャン・ベイル主演|感情禁止の未来で繰り広げられるガン=カタ

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●こんなお話

 感情がない世界で感情を取り戻した政府側の人間が反体制派になって政権打倒する話。

●感想

 薬で感情を抑え込まれ、芸術や音楽が徹底的に禁止されているディストピア社会。人々は感情を持たずに生きることを強制されていて、主人公はその社会で秩序を守る警察官として働いています。

 いつも通り任務を遂行していたある日、主人公は相棒が本を隠し持ち、それを読んでいたところを目撃します。即座に感情の芽生えを疑い、相棒を射殺。この出来事をきっかけに、主人公の中でも変化が起こりはじめ。

 過去に妻が処刑された記憶や、毎朝打たなければならない感情抑制の薬を落としてしまったことから、主人公は徐々に感情を取り戻していきます。テロリストのアジトでレコードを耳にして涙ぐむなど、感情に戸惑いながらも惹かれていく様子が描かれていく。

 その中で、新たな相棒からも疑いの目を向けられながら、捜索中に見つけた子犬を救うため、処刑命令を無視して隠し持ちます。しかしそれがバレてしまい、主人公は警官を射殺。その後もテロリストを逃がし続け、結果として多くの仲間を自らの手で殺すことに。

 やがて、逃がしたテロリストが捕らえられ処刑されるなど、主人公の葛藤は深まっていき。愛する女性が火あぶりにされる刑に処されることを阻止しようとしますが、間に合わずその最期を目撃し、激しく泣き崩れまる。その場で捕らえられそうになりますが、逆に相棒に「感情を持っている」と濡れ衣を着せてその場を切り抜けます。

 その後、主人公は反体制勢力と接触し、政府のトップ暗殺というミッションに巻き込まれていきます。政権中枢への面会の名目で潜入しますが、これは政権側がテロリストをおびき寄せるための罠でした。

 しかし主人公はそこで大暴れ。独自の武術「ガン=カタ」で次々と警備を倒し、政権トップと直接対決。激しい戦いの末、トップを射殺し、クーデターが成功したことを示すかのように、最後は主人公の穏やかな笑顔でおしまい。

 主人公が権力の側の最強の使い手であること、そして感情を持ってしまったことで組織に疑問を抱き始め、徐々に目覚めていく展開には見応えがあります。ただし、映画の冒頭から中盤までの導入部分はテンポがゆっくりで、100分という尺の中で延々とディストピア世界の描写が続くため、人によってはやや冗長に感じました。

 特に印象的だったのは、クリスチャン・ベイル演じる主人公が、処刑されそうな子犬を前に悩むというシュールな場面。1匹の命を救うために10人以上の部下を手にかける姿に、倫理的な問いも投げかけられます。

 それでも、最大の見どころはやはりこの作品オリジナルのアクションスタイル「ガン=カタ」。近接戦闘と射撃を融合させたスタイルで、画面を支配する動きは圧巻です。クライマックスではまさに「カッコよさ」を突き詰めた演出が次々に繰り出され、アクション映画としての満足感は非常に高かったです。

 ディストピアの設定やテンポに少し疲れる部分もありますが、「ガン=カタ」という独自のスタイルを体験できる一作として楽しめました。

☆☆☆

鑑賞日:2012/03/28 DVD 2024/06/28 Hulu

監督カート・ウィマー 
脚本カート・ウィマー 
出演クリスチャン・ベール 
エミリー・ワトソン 
テイ・デイヴィス 
アンガス・マクファーデン 
ショーン・パートウィー 
マシュー・ハーバー 
ショーン・ビーン 
ウィリアム・フィクナー 
ドミニク・パーセル 
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