映画【デューン 砂の惑星PART2】感想(ネタバレ):壮大な映像美と王道ストーリーで魅せるサバイバル叙事詩

DUNE PART TWO
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●こんなお話

 自分の一族が滅ぼされたので別の部族のリーダーとなって皇帝に反旗を翻す話。

●感想

 一族を滅ぼされ、逃亡を続ける主人公がたどり着いたのは、砂漠に暮らす現地部族。そこで彼は“予言者ではないか”という期待と、“よそ者にすぎない”という疑念の板挟みに遭う。部族内の派閥に揉まれながら、次第に彼は砂漠の歩き方や生活様式、風習を学び、砂虫に乗るという偉業を成し遂げたことで、徐々に部族から「やはり予言者だ」と受け入れられていく。

 その過程で恋愛も芽生え、孤独だった主人公が仲間と絆を育む姿は胸を打つ。やがて主人公たちはスパイス工場を爆破するというテロ行為に打って出て、敵の司令官を怒り狂わせる。この司令官が役に立たないと判断され、新たに剣闘士として暴れまわるハルコンネン家の次男坊が実力を認められ、後任の司令官となる。

 一方、主人公たちのアジトが襲撃され、状況は悪化。敵側の包囲が進む中、皇帝がついにデューンの地へ降り立つ。そして、主人公は巨大な砂虫に乗って反撃を開始。宿敵の一族を壊滅させ、皇帝をも跪かせる。戦いは終わらず、さらに続くという形で物語は締めくくられる。

 映像は圧倒的に美しくて、豪華キャストによる存在感のある演技も魅力。壮大なスケール感と演出で、いかにも“大作”という空気が満載でした。予言者として認められるまでの成長や、部族との信頼の積み重ねなど、王道展開ではあるが見どころも多く、ナイフアクションの迫力や戦闘シーンの演出も素晴らしかったです。

 ただし、166分という長尺の中で、全編を通して登場人物たちがひそひそ声(ウィスパーボイス)で語り合い、場面もじっくりと進行するため、途中で眠くなってしまうようなテンポの遅さもありました。前作と同様、緊張感を抑えた演出が好き嫌いがわかれそうです。

 主人公自身も感情を爆発させる場面が多く、「この人が本当にリーダーで大丈夫か?」と思わせる不安定さ。また、物語に登場するベネ・ゲセリットという集団の思想や政治的な思惑、各陣営の対立構造もSFに馴染みがないと少々わかりにくかったです。

 さらに、敵キャラとして登場するフェイドはインパクトのある初登場だったものの、実際にどれほど強かったのかよくわからないまま終わってしまった印象。前作で不気味だったバウティスタ演じるキャラも、今回はただ怒鳴っているだけの人になっていて残念でした。全体として、ビジュアルと音響は最高だが、物語構造やキャラクター描写には賛否が分かれそうな続編でした。

☆☆

鑑賞日:2024/03/17 イオンシネマ座間

監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ 
脚本ドゥニ・ヴィルヌーヴ 
ジョン・スペイツ 
クレイグ・メイジン 
原作フランク・ハーバート 
出演ティモシー・シャラメ 
ゼンデイヤ 
レベッカ・ファーガソン 
ジョシュ・ブローリン 
オースティン・バトラー 
フローレンス・ピュー 
デイヴ・バウティスタ 
クリストファー・ウォーケン 
スティーブン・ヘンダーソン 
レア・セドゥ 
ステラン・スカルスガルド 
シャーロット・ランプリング 
ハビエル・バルデム 
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