映画【デアデビル】感想(ネタバレ):正義の定義が揺らぐ!感覚を武器に闘う異色のヒーロー作品

daredevil
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●こんなお話

 盲目の弁護士が夜はヒーローになって、でっかい黒人さんと戦ったりする話。

●感想

 視覚を持たない主人公が、聴覚などの感覚を駆使して世界を“視る”という設定はとてもユニークで面白かったです。音や気配を頼りに戦ったり行動する描写は、ヴィジュアルとしての魅力もしっかりあって、印象に残る演出になっていたと思います。

 ただ、主人公を含め、登場人物たちが物語の中で何を目指しているのかが見えにくくて、いまいち物語に乗り切れなかったです。過去のトラウマやヒーローとしての起源の説明、現在の弁護士としての姿、ヒロインとの出会い、敵キャラの登場など、出来事がテンポよく次々に描かれるのはいいけれど、そのテンポの良さが逆に雑然として感じてしまいました。 

 主人公が夜な夜な法で裁けない悪を成敗している、いわば仕事人のような存在だというのは冒頭に少し描かれるだけで、後半はヒロインとの関係や、その父親が狙われる展開が中心になってしまい、主人公の信念や行動目的がぼやけて見えてしまいました。

 また、悪役も“悪いことをしている感”はあるけれど、具体的にどんな目的で何をしている組織なのかが描かれず、ただ雰囲気だけで敵として登場してくるのも物足りなかったです。

 アクションシーンも全体的にスピード感や迫力に欠けていて、見せ場になりきれていなかったです。スタイリッシュな演出があるかと思えば、もっさりとした動きで盛り上がりに欠ける印象が残りました。

 正義とは何か、悪とは何か、といったテーマが背景にある設定は興味深かったのに、結局「正義の制裁だ」と言って人を倒していく主人公の姿が、むしろ暴力的な側に見えてしまって、そのアンバランスさが作品への没入感を削いでしまった気がしました。

 ユニークな設定やテーマがあるのに、それが活かしきれていなかったのがもったいないと感じる作品でした。

☆☆

鑑賞日: 2015/01/05 Blu-ray

監督マーク・スティーヴン・ジョンソン 
脚本マーク・スティーヴン・ジョンソン
出演ベン・アフレック 
ジェニファー・ガーナー 
マイケル・クラーク・ダンカン 
コリン・ファレル 
ジョン・ファヴロー 
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