ドラマ【フィアー・ザ・ウォーキング・デッド シーズン7】感想(ネタバレ):ポストアポカリプスの人間ドラマは停滞気味?

Fear-the-Walking-Dead
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●こんなお話

 核兵器爆発後でタワーに住む人とか潜水艦に住む人とかの縄張り争いの話。

●感想

 カルトによって核爆弾が爆発し、荒廃した世界を舞台にしたシーズン。潜水艦にいるモーガンや、タワーで権力を握るストランド、その他さまざまなグループとの間で縄張り争いや対立が描かれていく。アリシア、ドワイトなどこれまでのキャラクターたちも登場し、それぞれの視点で物語が進んでいきます。

 このシーズンの特徴は、1人の主人公がずっと物語を引っ張るのではなく、毎話ごとに主人公が変わっていくスタイルでした。そのため構成としてはバリエーションがある一方で、全体としての一貫性に欠けていて、感情移入しにくい展開になってしまっている印象でした。

 核爆発後の世界という設定で、登場人物たちはマスクや装備を着けて行動しているが、「このエリアは大丈夫」と突然防護を解除するシーンが多く、放射能汚染に対する描写が一貫していないのも気になったり。日本人としては、放射能というテーマには自然と敏感になってしまうので、こういった描写の緩さが終始ノイズになってしまいます。

 シーズン7にもなるとゾンビにやられるモブキャラの描写も雑で、ただ立ち尽くしているだけでやられてしまったり、敵に銃を突きつけられてからの逆転劇も敵があまりに間抜けだったりと、アクションものとしての緊張感や面白さも欠けていました。

 会話劇もテンポが悪く、長々と続く割に中身が薄くて眠気を誘うものでした。ストランドと対立する展開が物語を引っ張るかと思いきや、後半でアリシアと大声で叫び合ったかと思えば、その直後に別の男に銃を向けられ、アリシアと共闘することになるという急展開にもついていけず、戸惑いが残りました。

 最後はこれまでメインだったキャラクターが再登場し、「パドレ」と呼ばれる子どもたちを集めている謎の組織と向き合う展開に。主人公は自分の子どもを取り返すため、パドレと交渉するところで物語が締めくくられます。

 シリーズ全体としてやや冗長に感じることはこれまでもありましたが、その中でも特にこのシーズンは群を抜いて展開が平坦で、ダラダラ感が強く、退屈に感じた印象が強かったです。

☆☆

鑑賞日:2023/07/29 Amazon・プライム・ビデオ 2023/10/11 Amazon・プライム・ビデオ

監督マイケル・E・サトラゼミス
コールマン・ドミンゴ
脚本イアン・ゴールドバーグ
アンドリュー・チャンブリス
デイヴ・エリクソン
ロバート・カークマン
出演レニー・ジェームズ
アリシア・デブナム・キャリー
マギー・グレイス
コールマン・ドミンゴ
ジェナ・エルフマン
ダナイ・ガルシア
ギャレット・ディラハント
オースティン・アメリオ
ルーベン・ブラデス
クリスティーン・エヴァンジェリスタ
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