映画【キューポラのある街】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 リアルな三丁目の夕日な話。

●感想

 キューポラという煙突がいっぱい立っている埼玉県川口市を舞台に昔ながらの職人であるお父さんがクビになってしまい、貧乏がさらに貧乏になっていく。さらにお父さんは再就職するけれど、そこもあーだこーだ文句をつけて辞めてしまい、家族から責められると怒ってしまうという。当時のお父さんはこんなんだったのかというなかなかの無茶苦茶なパワハラ的な父親でした。

 吉永小百合さんはお父さんが仕事辞めちゃったものだから、パチンコ屋でバイトしたり修学旅行を行くのをやめたりと貧困によって選択肢が亡くなっていく様子が描かれていきます。さらには男たちからレイプされそうになったりなかなかの過酷なイベントが起こっていきます。

 主人公の吉永小百合さんや悪ガキの弟たちの親友が在日朝鮮人で北朝鮮への帰国事業で帰る帰らないとなって、戦争の危険があるかもとか言ったりしていますが、ここでもやはり貧困問題が出てきて日本にいてもだめだと地上の楽園に行った方がいいと万歳で帰国していくのも現代的視点で見ると何ともいえない気持ちになりました。

 貧困や差別などを描いていていますが、内容はなかなかのヘヴーさですが。吉永小百合さんをはじめとする役者さんたちの力なのか当時の人たちがそうだったのか楽観的というかお気楽というか暗くならないで明るく前向きに生きているのが凄いです。

 1人の少女、1つの家族を中心に視点が動かないため大きな動きがなく淡々としているので、ちょっと退屈に感じるところもありましたが現代の日本とは違う東京近郊の原風景や生活を知ることができる映画でよかったです。

☆☆☆

鑑賞日:2020/11/24 NHK BSプレミアム

監督浦山桐郎 
脚色今村昌平 
浦山桐郎 
原作早船ちよ 
出演東野英治郎 
吉永小百合 
市川好郎 
鈴木光子 
森坂秀樹 
浜村純 
菅井きん 
浜田光夫 
北林谷栄 
殿山泰司 
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