映画【海角七号 君想う、国境の南】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 台湾で歌手の夢を破れた青年とマネージャー業をやる日本人女性が好き好きになっていく話。

●感想

 台湾人の青年と日本人の女性が嫌い嫌いから好き好きになっていくというのと地元のライブの前座バンドの「頑張れベアーズ」的なダメダメな人たちがバンドを組んで頑張るというのを軸に70年前の手紙が合間に挿入されていく構成ですが、120分見終わっても正直、その70年前の手紙が主人公たち2人にそんなに関係なくて盛り上がりに欠けてると思いました。
 主人公が郵便局員的な仕事をして、それが面倒で手紙を配らずにその中の1つの手紙を開けたら、70年前の手紙を見つけてという展開で、台湾人の仕事に対するモチベーションの低さに引いてしまいました。手紙、勝手に開けて読んじゃうんだという。そして内容は日本語なのに主人公の青年は理解できないのでそのままで、後半に日本人ヒロインとベッドイン後、ヒロインがその手紙を読んで大切なものだと判明する。

 前半はコメディタッチで軽い台湾コメディについていけないとなかなかツライものがありました。ヒロインの日本人はヒステリックにしか見えないし、中盤で主人公同士がキスを始めたのにも驚いて、いつの間にそんな気持ちになっていたのかと。酔っぱらった勢いだったのかな。大切な手紙の送り主が「自分のおばあちゃん」そして「おばあちゃんとは気まずい」とホテルの清掃員の女性が急に告白してきたり、その手紙を主人公が原チャリに乗って向かっていって、こっそりとバレないように手紙を渡すというのもそのおばあちゃんがどういうリアクションをとるのかというのとかも見たかったです。
 即席の前座バンドメンバーたちのそれぞれの掘り下げも浅いので、盛り上がりに欠けていると思いました。「俺は人間国宝だ」のベースのおじいちゃんがタンバリンに降格されるのとかかわいそうでした。

 乗り切れない中盤まで一転して、クライマックスの音楽で盛り上がって音楽の力って凄いなと感心させられますが、そこに至るまでがどこか安っぽい印象を受けてしまう作品でした。とはいえ、台南の南国な雰囲気が伝わってきて、リゾート行きたいという気持ちになりました。

☆☆☆

鑑賞日: 2015/04/24 DVD 2021/11/18 Amazonプライム・ビデオ

監督ウェイ・ダーション 
脚本ウェイ・ダーション 

出演ファン・イーチェン 
田中千絵 
中孝介 
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