●こんなお話
ヴァンパイアハンターの主人公とヴァンパイアの戦いの話。
●感想
臨月の女性が何者かに噛まれ、瀕死の状態で出産するという場面から始まります。その後、あるカップルがクラブに遊びに出かけると、そこに集まっていた人々がすべてヴァンパイアだったことに驚き、混乱する展開。その危機的な状況に、突如現れた主人公のヴァンパイア・ハンターが応戦し、クラブ内は大混乱へ。
死体を検死していた女性検視官が、突如蘇った死体に噛まれるということが起こり、そこにも主人公が現れ、彼女を救出。ヴァンパイアの毒が回る中、主人公とその相棒の尽力によって、何とか彼女は人間としての状態に戻ることに成功します。
自宅に戻った検視官を待っていたのは、制服警官に扮したヴァンパイアの奴隷たちの襲撃でしたが、ここでも主人公が現れて撃退。その制服警官の行動を追跡したことで、ヴァンパイアたちが何らかの陰謀を企てているアジトの存在が明らかに。
一方、ヴァンパイア側では、若き野心家のヴァンパイアが、古き長老たちに反旗を翻し、次々と抹殺して自らが「キング・ヴァンパイア」として君臨しようとする野望を抱きます。主人公はアジトに乗り込むものの、捕らえられてしまい絶体絶命に。そこへ相棒が登場し、彼を救出して脱出に成功。
しかし、主人公が不在の間にヴァンパイアたちは拠点を急襲し、相棒は命を落とし、検視官の女性はさらわれてしまいます。主人公は再びアジトに単身乗り込み、奮闘しますが、そこには死んだはずの母親がヴァンパイアとなって登場し、しかも敵の恋人となっていたことに動揺します。その隙を突かれて主人公は捕らえられてしまいます。
主人公の血が儀式に必要とされ、命がけで血を抜かれ衰弱する中、検視官が主人公に自らの血を吸わせることで蘇生。そしてクライマックスでは、主人公がヴァンパイアたちと壮絶なバトルを繰り広げ、検視官が開発した特殊な薬によって、カタキ役のヴァンパイアを爆破。ラストは舞台をヨーロッパに移し、主人公が再びヴァンパイア狩りを行う姿でおしまい。
本作は、ウエズリー・スナイプスが演じる主人公のキレのあるアクションと、さまざまな武器を使ったド派手な戦闘シーンが見どころとなっており、まさにアクションを楽しむことに重きを置いたエンタメ作品といえます。
ヴァンパイア側も、保守的な長老たちと、変革を求める若手の対立という構図が描かれ、単なる敵ではない複雑な背景がある点も印象的でした。一方で、ストーリーの構造自体はやや定番で、主人公がヒロインと出会い、協力し、さらわれた彼女を救出に向かうという典型的な展開に感じました。
また、ディテールに関してはやや粗く、たとえば主人公がさまざまな高性能武器を使いこなすにもかかわらず、資金源やサポート体制が描かれておらず、物語に没入しきれない部分もありました。さらに、日中に活動するヴァンパイアたちが「日焼け止めを塗っている」と説明されるのですが、果たして頭皮や髪の毛の間にまで塗っているのかと、些細な点が気になってしまう側面も。
そして、クライマックスで登場する「神を蘇らせる」というようなスーパーパワーを得たヴァンパイアが、思ったほど強くなくあっさり倒されてしまうため、戦いの緊張感に欠ける印象も残りました。
それでも、主人公の威風堂々とした戦いぶりや、ドヤ顔での登場・決めポーズなど、ウエズリー・スナイプスの魅力を全開で楽しめる作品であり、アクション映画ファンにとっては満足感のある一本でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/03/15 Hulu 2024/07/31 Amazonプライム・ビデオ
監督 | スティーヴン・ノリントン |
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脚本 | デイヴィッド・S・ゴイヤー |
出演 | ウェズリー・スナイプス |
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スティーブン・ドーフ | |
クリス・クリストファーソン | |
エヌ・ブッシュ・ライト | |
ドナル・ローグ |