映画【アンタッチャブル】感想(ネタバレ):禁酒法時代のシカゴを舞台に描く正義の戦い!

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●こんなお話

 アル・カポネを逮捕しようと頑張る財務省のチームの話。

●感想

 禁酒法時代のアメリカ、ギャングがはびこるアル・カポネ支配下のシカゴ。主人公は、正義感に燃える検察の信任調査官としてこの街に赴任し、法の力でアル・カポネを裁こうと奮闘する決意。彼は当初、信念を持って捜査に挑みますが、部下とともに行った作戦が失敗に終わり、世間からは嘲笑の的となり、大きく落ち込む。

 腐敗した警察組織の中では、情報がすぐに漏れる状況にあり、信頼できる仲間を見つけることが重要なので、主人公は街中で偶然出会った誠実な制服警官に可能性を感じ、彼を自らのチームに引き入れます。さらに、未婚で職務に専念できる腕利きの若手警官をリクルートし、ついに4人の信念を持つ少数精鋭チームが結成されます。

 その後、郵便局を拠点とする違法取引の現場に踏み込み、アル・カポネが関与するブツを押収するなどの捜査を展開。ところが、主人公の家族に脅迫が届き、家族は安全のためセーフハウスに避難。

 やがて、カナダとの国境で行われる密売の現場を急襲。重要証人を保護しながら都市部へ護送しようとしますが、その最中にチームの一員が命を落としてしまいます。

 それでも経験豊富なベテラン警官が賄賂を受け取っている署長に接触し、カポネの帳簿係の居場所を聞き出すことに成功。しかし、その警官も殺し屋に襲撃され、命を落とします。彼が残した最後のメッセージを頼りに、主人公は駅に向かい、赤ん坊を守りながらの銃撃戦を展開して、ついに帳簿係の確保に成功。

 迎える法廷シーンでは、陪審員が買収されていることを突き止めた主人公が、巧妙に陪審員の交代を実現。一方、宿敵である殺し屋を屋上で追い詰め、過去の屈辱を晴らすかのように突き落とす。最終的にアル・カポネの有罪判決が下っておしまい。

 冒頭、エンニオ・モリコーネによる重厚なメインテーマが流れた瞬間から、この映画がただならぬ作品であることを予感させます。わかりやすい勧善懲悪の構図をベースにしながらも、人物描写や展開は丁寧で、どのシーンも無駄がありません。テンポのよいストーリー展開により、2時間があっという間に過ぎていきます。

 登場人物たちも非常に魅力的で、特に主人公を導く老警官の存在感は抜群です。敵側のキャラクターもまた印象的で、それぞれの信念に基づいた行動が、説得力を持って描かれています。キャラクターの行動原理がしっかりしていることで、彼らの一挙一動が自然で、かつ格好よく感じられるのだと思います。

 カナダ国境での騎馬警官との共闘シーン、ショーン・コネリー演じる警官が襲撃される場面、そして駅の階段での壮絶な銃撃戦など、映像的にも記憶に残る名シーンが多く、観るたびに新たな感動を味わえる作品です。

 クライマックスでは、宿敵を追い詰め、正義を貫く主人公の姿が描かれ、ラストまで勢いを失うことなくエンディングへ。まさに「正義とは何か」を問いながら、エンターテインメントとしても非常に完成度の高い作品でした。120分という上映時間の中で、濃密な物語と人物描写を楽しめる一作です。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2011/05/26 Blu-ray 2024/07/29 Amazonプライム・ビデオ

監督ブライアン・デ・パルマ 
脚本デイヴィッド・マメット 
出演ケヴィン・コスナー 
ショーン・コネリー 
チャールズ・マーティン・スミス 
アンディ・ガルシア 
ロバート・デ・ニーロ 
リチャード・ブラッドフォード 
ジャック・キホー 
ブラッド・サリヴァン 
ビリー・ドラゴ 
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