●こんなお話
宇宙大魔王が自分の倫理に従って行動しようとするのをみんなで阻止しようとする話。
●感想
アクションに次ぐアクションの連続で、そのどれもがアイデアにあふれた見ごたえたっぷりのシーンばかりで、最初から最後までエネルギッシュな展開が続き、アクションを楽しむだけでも十分満足できる1本でした。
特に印象に残ったのは、敵側のカタキ役軍団にいる子分たちのビジュアル。彼らのデザインがとにかくカッコよくて、スーパーヒーローたちよりも魅力的に映ってしまうほどでした。
しかも、敵キャラクターたちは基本的に一人で立ち向かってくるのに対し、ヒーロー側は人数を活かして背後からの不意打ちでやっつける場面が多く、少しだけ「主人公チームの戦い方、卑怯じゃない?」と思ってしまうような場面もありました。それだけに、敵キャラが主役のように際立っていたのが新鮮で、今までにないタイプのスーパーヒーロー映画として楽しめました。
近年では、映画館で観るヒーロー映画が連続ドラマのような構成になっているのはもはや当たり前ですが、本作もそのスタイルを踏襲していて、単体で観るというよりは過去作品の流れを知っていてこそ楽しめる内容になっています。登場するヒーローたちがかなりの人数になっているため、どうしてもいくつかのチームに分かれて同時進行で物語が展開していく構成になっていて、その結果、流れが途切れるように感じる場面も多く、150分という上映時間の中で少し退屈に感じる瞬間もありました。
また、ヒーローたちが「絶対に守らなければならない」と宣言している重要なアイテム(石)が物語の中心にあるのですが、予想通り何度もピンチに陥ってしまい、「本当に守り切る気あるのかな…?」と思わずツッコミを入れたくなる行動もあったりして、もう少し緻密な作戦があってもよかったのではと思いました。
とはいえ、個人的に嬉しかったのは、主役級ではないけれど過去作で活躍していたキャラクターたちが再登場するところで。グウィネス・パルトロウ演じるキャラや、『スパイダーマン』の主人公の親友、『ドクター・ストレンジ』のアジア系僧侶など、単体作品の脇を支えていたキャラがまたスクリーンに戻ってくるのは、ファンとしてはたまらない嬉しさがあります。
全体としては、アクションに重点を置きながらも、スーパーヒーロー映画としての“集大成感”よりも、ちょっと群像劇的なつくりが目立つ1本だったなと思います。でも、だからこそ敵キャラが魅力的に感じたり、脇役キャラの再登場に喜べたりと、観る人によって楽しみ方が変わってくる面白い映画でした
☆☆☆
鑑賞日: 2018/05/02 TOHOシネマズ川崎 2018/12/11 Blu-ray
監督 | アンソニー・ルッソ |
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ジョー・ルッソ | |
脚本 | クリストファー・マルクス |
スティーヴン・マクフィーリー | |
製作 | ケヴィン・ファイギ |
出演 | ロバート・ダウニーJr. |
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クリス・ヘムズワース | |
マーク・ラファロ | |
クリス・エヴァンス | |
スカーレット・ヨハンソン | |
ベネディクト・カンバーバッチ | |
ドン・チードル | |
トム・ホランド | |
チャドウィック・ボーズマン | |
ポール・ベタニー | |
エリザベス・オルセン | |
アンソニー・マッキー | |
セバスチャン・スタン | |
ダナイ・グリラ | |
レティーシャ・ライト | |
トム・ヒドルストン | |
イドリス・エルバ | |
ピーター・ディンクレイジ | |
ベネディクト・ウォン | |
ポム・クレメンティエフ | |
カレン・ギレン | |
デイヴ・バウティスタ | |
ゾーイ・サルダナ | |
グウィネス・パルトロウ | |
ベニチオ・デル・トロ | |
ジョシュ・ブローリン | |
クリス・プラット | |
出演(声) | ヴィン・ディーゼル |
ブラッドリー・クーパー |
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