●こんなお話
姉を殺された在日朝鮮人と日本人が旅をする話。
●感想
在日朝鮮人の女の子がチンピラに殺されて、それを見て見ぬふりをした人たちもみんな同罪だから日本軍のマスタードガスを使ってテロを起こして世界を変えようとする。
特に冒頭が素晴らしく少女が殺されるときの主人公の日本人の男の子が何もできなかったときの描写がよかったです。
ただ少女が世界を変えたいという強い気持ちはわかりますが、それに対する日本人少年の気持ちが描かれないのでイマイチ乗り切れない物語でした。世界に対して鬱憤が溜まっている少女に対してどう思うのか、北朝鮮の拉致問題のニュースを見て怒る両親に対してどう思っているのか? 少女を見殺しにしたから、その罪滅ぼしで少女と行動を共にしているのか?
果たして本当に必要なのか? というシーンもあって、マスタードガスをくれるニートの男の子のくだりや主人公たちが自転車で街をさまようシーンも必要だったのかわかりません。
そして、一番肝心のテロが直接的な描写がないため、少女の怒りの行動を映さないのは何故なんだろうと思いました。
少女側の意見は強く打ち出されるので十分理解できますが、もう片方は悪く描かれすぎでバランスに欠ける映画になってしまっているように思えました。
救いがないラストは世界が果たして変わらないんだろうかと、絶望できるものでよかったです。
☆☆
鑑賞日:2013/01/03 DVD
リンク
監督 | 片嶋一貴 |
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脚本 | 井上淳一 |
出演 | 韓英恵 |
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笠井しげ | |
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澤純子 | |
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