映画【アントマン&ワスプ クアントマニア】感想(ネタバレ):家族と量子世界をめぐる冒険譚、未知なる宇宙の旅へ

Ant-Man-and-the-Wasp-Quantumania-(2023)
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●こんなお話

 主人公の娘さんが量子世界に通じるマシンを作っちゃってみんな吸い込まれて、そこで破壊王みたいなのと戦う話。

●感想

 物語は、量子世界に閉じ込められていた母親が、謎の男性を助ける場面から始まる。彼が墜落してくるという異常事態に対して、長らく量子世界にいたことで状況に詳しい彼女が即座に対応し、その後は地上での日常描写へと移っていく。主人公は本を出版し、朗読会を行っていて、作家としての一面も描かれる。そこへ娘がトラブルを起こして留置所にいるという連絡が入り、彼女を迎えに行くことに。

 娘と義理の父との関係も描かれ、二人が科学について一緒に研究していたことがわかってくる。娘がその研究の説明をする中で、量子世界と繋がる技術を使っていたことが明らかになり、それを知った母親はすぐに使用を止めるよう警告する。しかし装置は作動してしまい、全員が量子世界へと吸い込まれてしまう。

 そこからは、主人公とその娘チーム、そして母親と父親とその娘というふたつのグループに分かれ、それぞれの冒険が同時に描かれていく。主人公側は、謎めいた先住民のような存在に捕まり、奇妙な液体を飲まされることで言葉が通じるようになり、母親の名前を出すと相手が驚くという展開に。そこから襲撃が発生し、アクションが始まる。

 一方で両親側は、母親が過去に量子世界で体験した出来事を背景に、主人公たちを探すためにかつての知人を訪ねることに。しかしその知人が量子世界を支配する存在と繋がっていたことで事態は急変し、戦いの末に逃走することとなる。

 やがて主人公たちは、支配者カーンという人物に捕らえられ、彼の乗り物のエネルギーコアを回収するよう命じられる。娘を人質にとられてしまい、やむを得ずその指示に従おうとする。並行して、母親が過去にカーンを助けていたという回想が挿入され、彼が別の宇宙で多数の惑星を滅ぼしてきたことが語られる。母親はそれを知って彼をこの世界に閉じ込めた、という背景が明らかになる。

 最終的に、先住民たちと主人公グループがカーンの軍団に立ち向かう大規模な戦闘へと突入。アントマンがカーンと一対一でぶつかり合い、ワスプの助けも得てついに彼を倒す。家族は無事に元の世界へと戻り、物語は終わる。

 量子世界の描写は独特ではあるものの、個人的には画面が全体的に暗めで、CG主体のアクションも単調に感じられました。視覚的なインパクトが強い一方で、動きの新鮮さや迫力といった面ではもう少し変化がほしかったと思います。特に敵役のカーンに関しては、彼の強さや恐ろしさといったものがやや曖昧で、印象に残りづらかったのが正直なところです。

 物語の構成も、母親がなぜ最初からすべてを説明しないのかという点で疑問が残りました。中盤以降にようやく彼女の過去が明かされていく流れとなっており、それまでに観客側が感じる情報不足によるモヤモヤが少し溜まってしまう印象でした。量子世界のユニークな世界観や設定は魅力的なのですが、それを補強する物語上の展開やキャラクターの深掘りがあれば、より引き込まれたのではないかと思います。

☆☆☆

鑑賞日:2023/02/26 シネマサンシャイン平和島

監督ペイトン・リード 
脚本ジェフ・ラブネス 
出演ポール・ラッド 
エヴァンジェリン・リリー 
マイケル・ダグラス 
ミシェル・ファイファー 
ジョナサン・メジャース 
キャスリン・ニュートン 
ビル・マーレイ 
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