映画【こんにちは、私のお母さん】感想(ネタバレ):母と娘の絆を描く時空を超えた感動作|タイムスリップ×親子ドラマの傑作

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●こんなお話

 タイムスリップして母親を幸せにしようとお金持ちの相手と結婚させようと頑張る娘さんの話。

●感想

 主人公の娘は、期待に応えられず落ちこぼれのように感じながら生きている。大学に合格したと嘘をついて母親を喜ばせようとするけれど、当然のように嘘はバレてしまい、母親をまたガッカリさせてしまう。けれど、それでも母は娘を責めることなく、自転車で帰る途中に事故に遭い、意識不明の重体に。

 娘は病院で、母の過去の映像を見ていたところ、その中のテレビ画面に引き込まれるようにして1981年にタイムスリップしてしまう。そこには若い母親や親戚たちが生き生きと暮らしていて、娘は「今とは違う姿」の母と出会う。テレビをめぐる争奪戦や、町内のバレー大会の騒動に巻き込まれながら、次第に若い頃の母の夢や人生の分岐点を知っていく。

 母の未来をよりよいものにしようと、主人公は若い母を工場長の息子とくっつけようとデートをセッティングするがうまくいかず…。一緒にお酒を飲んで語り合ったり、破れたジーンズを縫ってもらったりするうちに、今まで知らなかった母の一面を知り、娘の中で母への見方が変わっていく。

 やがて、若い母親が「実は3年付き合っていた人と結婚することになった」と話し、その相手が現在の父親であることを知る。娘は現代へ戻ろうとするがうまくいかない。そんな中、ズボンに縫われた跡を見て、母がかつて縫物が苦手だったのに、自分の子を育てる中で覚えたことを思い出す。

 実は、事故で意識を失っていた母の魂も、若い姿で過去に戻っていた。母はずっと娘の奮闘をそばで見守っていたのだった。病室で亡くなる前、母は最後に娘に会いに来ていたという事実が明かされ、ふたりの思い出がモンタージュされていく。

 タイムスリップや入れ替わりなど、ファンタジックで飛び道具的な展開はあって、「なぜ娘だけ年齢そのまま?」といった細かい設定の違和感、脱毛症をネタにするような古い感覚に引いてしまう部分もありました。けれど、それを差し引いても、母娘の関係を描いた感情の流れや、実体験がにじむような家族の描写には強い説得力があり、じんわりと心に残る作品でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2023/02/26 WOWOW

監督ジア・リン 
脚本ジア・リン 
スン・チービン 
ワン・ユー 
リウ・ホンルー 
ブ・ユイ 
クォ・ユーパン 
出演ジア・リン 
チャン・シャオフェイ 
シェン・トン 
チェン・フー 
リウ・ジア 
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