●こんなお話
匈奴と戦う漢民族とそれを調査する考古学者たちの話。
●感想
新疆ウイグル自治区の氷河地帯で発掘調査を行う考古学者ファン教授から始まる。彼は発掘現場で古代の玉器を発見し、その夜、不思議な夢を見る。夢の中で彼は前漢時代の武将・趙戦となり、騎馬隊を率いて匈奴の軍勢と対峙している。砂煙が舞う戦場で剣を振るい、敵陣を突破しながら、追われていた謎の女性・夢雲を救い出す。
目を覚ましたファンは、夢の中で見た翡翠の装飾品と酷似した玉器が実際に出土している事実を知る。夢と発掘品の一致に動揺しつつも、彼は遺物の来歴を調べ始める。調査を進める中で、シャーマニズムに通じた人物を訪ね、夢が単なる幻想ではなく過去の記憶と結びついている可能性を示唆される。一方、研究チームの若手メンバーたちは恋愛問題で衝突を繰り返し、現場はどこか騒がしい空気に包まれている。
やがてファンはチームを率いて氷河の奥深くに存在する神殿跡へ向かう。氷壁の内部に埋もれた遺跡には、古代王朝の痕跡がそのまま残されている。調査の最中、夢で見た光景が現実の景色と重なり始め、趙戦としての記憶が鮮明になる。古代では、趙戦は華峻ら仲間と共に匈奴軍を迎え撃ち、激しい騎馬戦を繰り広げている。無数の馬が疾走し、兵士たちがぶつかり合う戦場で、趙戦は毒矢を受けて倒れる。彼を救うため夢雲は自らも毒に身をさらし、解毒薬を手に入れるため命懸けで奔走する。
現代では氷河神殿を爆破し、内部の財宝を奪おうとする一味が現れる。ファンたちはこれを阻止するため対峙し、氷の遺跡内で攻防戦が展開される。爆破装置は寸前で解除され、遺跡は守られる。戦いの後、ファンは自らの研究成果を一冊の本にまとめる。そこには趙戦と夢雲が戦乱を生き延び、共に穏やかに暮らしたという物語が記されておしまい。
若き日のジャッキー・チェンの姿をデジタル技術で再現した描写は、確かに挑戦的でしたが、終始どこか不思議な感覚が残りました。表情や動きにわずかな違和感があり、物語への没入を妨げる瞬間もあった印象です。
一方で、古代パートの騎馬軍団の映像は圧巻でした。広大な平原を埋め尽くす兵士と馬が一斉に駆け出す場面は壮大で、アクション映画としての醍醐味が凝縮されています。砂塵の中で繰り広げられる白兵戦や追撃戦は迫力に満ち、視覚的な満足度は高いものでした。
現代パートは中国的なコメディ色が強く、研究チームの恋愛模様や軽妙なやり取りが頻繁に挿入されます。物語の本筋とは距離のある展開も多く、歴史ロマンに集中したい観客にとっては好みが分かれる部分かもしれません。それでも、ジャッキー・チェン作品らしい軽やかさを保とうとする工夫は感じられました。
総じて、古代と現代を行き来する構成と大規模な騎馬戦の映像が強く印象に残る一本です。歴史冒険譚とアクションの融合を体感できる作品でした。
☆☆
鑑賞日:2026/02/28 WOWOW
| 監督 | スタンリー・トン |
|---|---|
| アクション指導 | スタンリー・トン |
| ヘ・ジュン | |
| ユエン・タク | |
| 脚本 | スタンリー・トン |
| 出演 | ジャッキー・チェン |
|---|---|
| チャン・イーシン | |
| グーリー・ナーザー | |
| アーリフ・リー | |
| ポン・シャオラン | |
| リー・チェン |

