●こんなお話
終戦直後に奪われたM資金を手に入れるために詐欺師が防衛庁の秘密組織やらCIAから逃れてPDAっつう携帯端末を世界に広げようとする話。
●感想
経済や金融をモチーフにしたエンタテイメントで、金塊を巡るコンゲームのような映画ですが。
説明台詞が多くて延々と自分の気持ちを喋り続ける登場人物たちばかりで見てて退屈でした。そのうえ何をしているのかよくわからないため、更にテンションが下がっていくという。
最初の「M資金の捜索」という動機は一体どこに行ってしまったんだろう? と思いながら見てました。
冒頭の終戦直後から始まる物語もよくわからないし、詐欺師をスカウトしてM資金を奪うという説明が入り。いろんな敵から追われる。
経済至上主義批判は良いことだと思いますが、PDAと呼ばれる端末を途上国に配ることが幸せなんだろうか? 医療や教育が重要なんではなかろうか?
それにクライマックスの国連での演説。悪い人たちに策略で先進国の国連団は帰ろうとする。森山未來さん演じる途上国国連の代表がPDAを取り出すと、その途上国からの写真が一斉に送られてくる。それでみんな足が止まり最終的にスタンディングオベーション。これはアニメか? いきなり端末を掲げる方が余計みんな帰っちゃうと思いました。
そもそも森山未來さんがいつの間に国連の代表になったんだろうか?
佐藤浩市さん演じる詐欺師の初登場で警察に捕まるのかと思いきや、相棒のヤクザだけ捕まって主人公はお咎めなし。というのは一体なんでなんだろう?
前半の山場であるロシアでのオダギリジョーさんに仕掛ける詐欺も結局関係あったのかがよくわからなし。何で岸部一徳さんは○○されちゃうの? 他の人たちは何もされないのに。
主人公たちが途中から船の中から動かなくなっちゃうのも視覚的に退屈だし。そこから「反撃だ」と動き始めるのも何やってんのかよくわからない。そこらへんも全部台詞で進行。
ニューヨークに行ってからもタクシー移動というのも驚きだし、100パー怪しい人から「パンクしてるぜ」と言われて引っかかっちゃうし。
アクションシーンは森山未來さんの動きが凄くてさすがでしたが、全部引きの画で撮られているためまるで迫力がないのも痛いです。
カタキ役のCIAとかも結局何がしたかったの? 親玉なんて電話で怒鳴ってるだけだったし、やたらと歩き回るので台詞の間合いが遅くてただでさえ遅い展開が余計上映時間長くなっていてつらかったです。
M資金を管理する一族の争いの悲しさみたいなのも全くわからないし。懐中時計を忍ばせ代々続く清掃人の孤独。なんかもむしろ余計なもので、彼の目的もわからなかったです。スローでサングラスに鳩という何でジョン・ウー演出? という不思議だけが印象に残りました。
森山未來さんのアクションと英語力がよかったです。けれど誰が何のために何をしているのかわからない映画で残念でした。
☆
鑑賞日: 2013/10/16 TOHOシネマズ南大沢
監督 | 阪本順治 |
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脚本 | 阪本順治 |
福井晴敏 | |
原作 | 福井晴敏 |
出演 | 佐藤浩市 |
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香取慎吾 | |
森山未來 | |
観月ありさ | |
石橋蓮司 | |
豊川悦司 | |
寺島進 | |
三浦誠己 | |
岸部一徳 | |
オダギリジョー | |
ユ・ジテ | |
ヴィンセント・ギャロ | |
仲代達矢 |