●こんなお話
島で暮らしていた主人公が島に墜落したパイロットの出会いから第一次大戦に参戦していく話。
●感想
映画は主人公が昔の写真を見つめながら回想するシーンから始まります。故郷の島で子ども時代からたくましく成長していく姿が描かれますが、突然イギリス軍のスパイが乗った飛行機が墜落し、その後ドイツ軍が追撃にやってくる。主人公たちは力を合わせてこれを撃退する。だが、主人公はかつて倒したはずの戦いの神が陰で戦争を仕組んでいることを知り、イギリス人と共に人間の戦争の最前線へと赴きます。
イギリス人は政府高官にドイツ軍が新たな毒ガス兵器を開発していることを訴え、休戦交渉よりも毒ガスの開発阻止が急務だと説くが、なかなか話は聞き入れられない。主人公は仲間たちと共に戦場でドイツ軍を撃退し、敵の高官を倒すため祝賀会に潜入するが、戦争自体は終わらない。
やがて戦いの神が現れ、世界を作り直そうと持ちかけるが主人公はそれを拒否し、激しい戦いになる。イギリス人の仲間は毒ガスを搭載した飛行機で自爆し、主人公は怒りと悲しみの中で暴走するが、やがて冷静さを取り戻し復活。最終的に戦いの神を倒し、戦争は終結しておしまい。
冒頭のナレーションでアマゾン族の誕生が説明されますが、世界観をナレーションだけで説明する手法はやや退屈で、特に女性だけが暮らす島の理由がわかりにくく、ぼんやりと見ていると理解しづらい場面もありました。女性だけの島にイギリス軍のパイロットがやってきてドイツ軍と戦うという設定ですが、主人公は悪い神様が戦争を仕組んでいると盲目的に信じており、ドイツ兵を敵として殺していく。だが、なぜドイツ兵が悪でイギリス兵は善なのか、違いが説明されていないため、単純な善悪の描き方に疑問を感じてしまいます。
アクションシーンは暗い中で爆発が続くだけで、何度も繰り返されるスロー演出も新鮮味がなく、眠気を誘う場面が多かったです。敵のボスであるドイツ軍人が謎のガスを吸っているが、その効果や意味は明確に示されず、見た目も変化がないため、まるで神様が人間をいじめているようにしか見えなかったです。
主人公が狙っていた本当の敵も、なぜか向こうから正体を明かす展開で盛り上がりに欠けました。毒ガスを開発する女性博士の処遇も曖昧で、カタキ役のドイツ軍人の言うことがむしろ正論に思える場面もあったり。もし最初にドイツ軍に出会い「イギリス軍が悪」と言われていたら、主人公はドイツ側について戦ったのではないかと考えさせられる映画でした。
それでもガル・ガドットの美しさは画面を華やかに彩り、メインテーマが流れて戦いが始まるシーンはテンションが上がり。愛する人の死を怒りに変えるのではなく、新たな答えを見つける展開は感動的で、観る価値がある作品だと思いました。
☆☆☆
鑑賞日: 2017/09/07 TOHOシネマズ六本木 2018/03/24 Blu-ray 2021/01/11 フジテレビ 2025/05/10 Amazonプライム・ビデオ
監督 | パティ・ジェンキンス |
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脚本 | アラン・ハインバーグ |
原案 | ザック・スナイダー |
アラン・ハインバーグ | |
ジェイソン・フックス |
出演 | ガル・ガドット |
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クリス・パイン | |
コニー・ニールセン | |
ロビン・ライト |
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