●こんなお話
盲目の老人が武装集団に襲われて娘がピンチになるので戦う話。
●感想
前作では完全にサイコパスな敵キャラだった盲目の老人が、今作ではまさかの主人公として登場。娘のように育てている少女と暮らしていて、学校にも行かせず、家に閉じ込めるようにして守っている様子から、相変わらず一筋縄ではいかないキャラクターだとわかります。
冒頭では少女が飼い犬に追われているが、これは襲われる訓練のようで、犬も完全に家族の一員として登場。2人の生活を支える女性も登場し、ただのサバイバル映画ではなく家族ドラマの一面も見せたり。
しかし、少女が外に出たことで物語が一気に緊張感を増していく。怪しげな男に声をかけられた後、少女を連れて帰った女性が、車で道を塞いでいた男たちに声をかけた瞬間に襲われる。そこから、家に武装集団が侵入。少女は隠れて逃げ、主人公は次々と敵を撃退するも、少女は拉致されてしまう。
飼い犬を殺された老人は、なんと敵の犬を引き連れて少女を取り戻すために動き出す。この展開が熱かったです。
敵のリーダーは少女の実の父親で、「お前に娘を奪われた」と言い、少女を母親に会わせて一緒に暮らさせたいと提案する。しかしこれは表向きで、実は母親は重い病にかかっていて、少女の臓器移植が真の目的。少女は意識を奪われたまま手術が進められようとする。
そこに主人公が乱入。斧で頭を叩き割ったり、水に濡れた床の波紋から敵の位置を把握して射殺したり、医者を容赦なく殺したりと、やりたい放題のバイオレンスが炸裂。最終的には目玉を潰す一騎打ちで決着をつけるが、母親は誤って射殺されてしまう。
全てが終わった後、主人公は少女に「自分は怪物だ」と告白。少女はそんな彼を受け入れたわけではないけれど、新たに同世代の人々のもとへ向かっていく姿でおしまい。
前作のように「暗闇での戦い」「盲目ならではのアクション」はあまり描かれず、代わりに力技でゴリ押しする展開になっていて、そこは少し物足りなさもあった。でも、家の中で少女が隠れている緊張感や、長回しのシーン、主人公が限界ギリギリで戦い抜く姿にはやっぱりワクワク度は高いです。
「ドント・ブリーズ」というタイトルから受ける印象とは少し違う方向へ進んでいるけれど、これはこれでハラハラドキドキが止まらないアクションサスペンスとしてかなり楽しめました。エンドクレジットもスタイリッシュで、最後までテンションの高い90分でした。
☆☆☆
鑑賞日:2021/08/24 TOHOシネマズ川崎 2025/05/13 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ロド・サヤゲス |
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脚本 | フェデ・アルバレス |
ロド・サヤゲス | |
製作 | フェデ・アルバレス |
サム・ライミ |
出演 | スティーヴン・ラング |
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ブレンダン・セクストン3世 | |
マデリン・グレース |