映画【COP CAR/コップ・カー】感想(ネタバレ):パトカーを盗んだ少年たちの逃走劇

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●こんなお話

 コップカーを盗んだ少年たちが、実はその持ち主の警官が極悪警官でえらい目に遭う話。

詳細ネタバレあらすじ

 少年トラヴィスとハリソンは野原を歩いている途中、誰もいない場所に停められていた保安官のパトカーを見つける。2人は車内を調べ、運転席付近にあったキーを見つける。トラヴィスがキーを使ってエンジンをかけ、2人はパトカーを走らせる。道路に出た2人はサイレンなどを操作しながら車を運転する。

 一方、そのパトカーの持ち主である保安官ミッチ・クレッツァーは、少し前までパトカーの近くにいた。クレッツァーは制服のシャツを脱いで車の後部座席に置き、トランクから男性の遺体を取り出して森の中へ運ぶ。あらかじめ掘っていた穴に遺体を入れ、上から消石灰をかけて埋める。クレッツァーが遺体を処分している間に、トラヴィスとハリソンがパトカーを持ち去ったことがわかる。

 遺体を埋め終えたクレッツァーがパトカーの場所へ戻ると、車がなくなっていることに気づく。クレッツァーは無線係のメアリーに連絡し、自分のパトカーとは無線で連絡できない状態にして、電話で連絡するよう指示する。

 その頃、パトカーを運転しているトラヴィスとハリソンは道路を走っている。運転に慣れていないため対向車線にはみ出して走り、対向車の女性ベヴはパトカーを運転しているのが子供であることに気づく。

 クレッツァーは盗まれたパトカーを探すため、別の車を手に入れて移動する。しかし、その車を使っているところを警察官に見つかりそうになり、車を放置する。その後、自宅へ戻り、自分のピックアップトラックに乗って少年たちが運転するパトカーを探す。

 メアリーからパトカーが盗まれたという連絡が入り、運転しているのが少年2人であることも伝えられる。クレッツァーは他の警察官に詳しい事情を知られないようにしながら、パトカーの無線を使って少年たちに呼びかける。

 トラヴィスとハリソンはパトカーの中を調べ、後部座席に置かれていた拳銃を見つける。2人が車内を調べていると、トランクから物音が聞こえてくる。トランクを開けると、中には手を拘束された血まみれの男が入っている。

 2人は男をトランクから出す。しかし男は少年たちを脅し、クレッツァーを呼び出すために利用する。男はハリソンに無線を使わせ、クレッツァーにパトカーを置いている場所を伝えさせる。

 クレッツァーは自宅でコカインをトイレに流し、現金をバッグに入れる。その後、少年から無線連絡を受け、パトカーのある場所へ向かう。

 トランクから出た男は、トラヴィスとハリソンをパトカーの後部座席に閉じ込める。そして自分は近くに身を隠し、クレッツァーがやって来るのを待つ。

 男とクレッツァーには薬物取引をめぐる関係がある。クレッツァーが冒頭で処分した遺体は、トランクに入っていた男の兄弟だったことが明らかになる。

 クレッツァーがパトカーのある場所へ到着すると、パトカーのドアが開いていることに気づく。クレッツァーは周囲を確認し、男が近くに隠れていることを察知する。

 そこへ、以前パトカーとすれ違ったベヴがやって来る。ベヴはパトカーへ近づき、少年たちに声をかける。クレッツァーはベヴを利用して、男が隠れている場所を確認させる。

 ベヴが男を発見すると、男はベヴを射殺。クレッツァーと男の間で銃撃戦が始まる。クレッツァーは男を撃ち、男は死亡する。クレッツァーも銃撃を受けて負傷する。

 トラヴィスとハリソンはパトカーから逃げようとする。2人は拳銃を発砲して窓を割るが、その際に跳ね返った弾丸がトラヴィスの腹部に当たる。トラヴィスが負傷したため、ハリソンはトラヴィスをパトカーに乗せたまま運転し、その場から走り去る。

 クレッツァーは負傷しながらも立ち上がり、少年たちを追跡する。パトカーの無線を使ってハリソンに話しかけ、パトカーを返すよう要求する。ハリソンはトラヴィスを乗せたまま道路を走り続ける。夜になり、ハリソンはパトカーのヘッドライトを点灯させる方法が分からないまま運転する。クレッツァーは後方から追いつき、車をパトカーに接触させて道路から押し出そうとする。

 そのとき、道路上に牛がいることにハリソンが気づく。ハリソンは牛を避けるためにパトカーの進路を変える。クレッツァーは牛を避けきれず、乗っていた車で牛に衝突する。

 クレッツァーの車が停止する一方、ハリソンはトラヴィスを乗せたパトカーを走らせ続ける。前方には町の明かりが見えてくる。無線からはアレンがクレッツァーに呼びかける声が聞こえきておしまい。

●感想

 少年2人が野原でパトカーを見つけ、遊びながら走らせている場面から始まります。そこから少し時間を戻し、今度はクレッツァーが同じパトカーに乗って登場します。そして、パトカーのトランクから男性の遺体を取り出して埋める場面が描かれます。

 その直後、クレッツァーがパトカーの場所へ戻ってくると、車がなくなっています。少年たちがパトカーで遊んでいる場面と、クレッツァーが遺体を処理している場面を前後させることで、同じパトカーをめぐる2つの出来事がつながっていきます。 

 この導入がかなりシンプルで面白いです。少年たちは何も知らずにパトカーを盗み、クレッツァーは自分が犯罪に使っていたパトカーを取り戻さなければならなくなります。パトカーを盗んだ少年と、それを取り戻そうとする保安官という単純な構図から始まるため、状況がすぐに理解できます。

 さらに少年たちがパトカーのトランクを開けると、そこには拘束された男が入っていて。少年たちは単に盗んだ車で遊んでいただけなのに、車の中から別の事件が出てくる構成になっています。パトカーという一つの場所を中心に、少年たち、クレッツァー、トランクの男、それぞれの行動がつながっていくところは楽しめました。

 クレッツァーのキャラクターも印象に残ります。悪徳保安官として少年たちを追跡する一方で、自分の犯罪が発覚することを恐れて証拠を処分し、パトカーを探し回ります。銃を持った危険な人物ではありますが、終始冷静に少年たちを追い詰めるタイプではありません。パトカーを失ったことで行動が慌ただしくなり、タンクトップ姿で車を探し回る場面も含めて、どこか抜けたところがあります。

 そのため、悪徳保安官から少年たちが追われる設定のわりには、追跡そのものに強い恐怖を感じる場面は少なかったです。少年たちが銃を手にしたり、トランクの男に拘束されたり、クレッツァーに追われたりと危険な出来事は続きますが、緊迫感を長く維持するタイプの作品ではありません。

 一方で、上映時間が約90分と短く、パトカーを盗んだ少年たちと、それを取り戻そうとするクレッツァーの行動を中心に話が進むため、展開は分かりやすいです。設定を大きく広げず、一台のパトカーをめぐって物語を進めていく構成も潔く感じました。

 特に、少年たちが何も知らずに遊んでいるパトカーが、実はクレッツァーにとって犯罪の証拠につながる車だったという仕掛けが作品の核になっています。そこからトランクの男や銃撃戦へ展開していくため、90分ほどの作品として気軽に楽しめる犯罪スリラーだと思います。

 ただ、個人的には、設定から期待するほど展開が大きく変化していかなかった点は惜しく感じました。パトカーを盗んだ少年たちと悪徳保安官という面白い設定があるので、さらに予想を裏切る展開が続けば、より印象に残る作品になったと思います。

 それでも、複雑な設定を説明することに時間をかけず、「少年がパトカーを盗む」「そのパトカーには犯罪の秘密がある」「保安官が車を取り戻そうとする」という一本のアイデアで最後まで進めていくところは好印象でした。短い上映時間の中で出来事が次々と起こるため、最後までテンポよく見ることができました。

☆☆☆

鑑賞日: 2016/08/04 DVD 2026/08/19 U-NEXT

監督ジョン・ワッツ 
脚本ジョン・ワッツ 
クリストファー・フォード 
原作ジョン・ワッツ
出演ケヴィン・ベーコン 
ジェームズ・フリードソン=ジャクソン 
ヘイズ・ウェルフォード 
カムリン・マンハイム 
シェー・ウィガム 
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