映画【哀しき獣】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　借金に苦しむ朝鮮族の主人公が追いかけ回される話。

●感想

　中国に住む朝鮮人たちが韓国にやってきますが、その全員が野蛮で攻撃的なのが凄いです。まさに獣のような奴らばかりで、韓国のヤクザが相手にならないのがわかります。
　主人公が、金のために殺人を請け負い実行するまでの計画シークエンスから決行に至るまでのドキドキ感も素晴らしく台詞が少ないながら主人公の行動で説明してしまうから凄いです。そして、案の定トラブルが出てくる展開も緊張感いっぱいでした。そこで指切断のカットなんか腹筋に力入れないと見れなかったです。

　悪役として出てくる朝鮮族の親分みたいな人の戦闘力もハンパなくて、不死身のような男で恐ろしかったです。韓国人から見た中国人として描かれているのだと思いました。

　メインの登場人物3人とも事件の全容を把握してないので、ちょっと誰と誰が何のために争っているのかがわかりずらかったり、主人公たちが簡単にピンチを脱出しすぎて漫画的だったりしますが。それに、事件のきっかけとなる最初の暗殺で現れる別の暗殺者のくだりとかもわかりずらかったですが2時間30分近く飽きずに見せてくれました。

　中国ロケの映像は、とても美しくそれだけで見入ってしまえるもので素晴らしかったです。その分、韓国パートになるとパワーダウンしてしまうように見えるから不思議です。

　脳しょうが飛び散ってるのに、口をパクパク動かしたりとなかなかのバイオレンスシーンがあったりして観る人を選ぶと思いますが面白かったです。

☆☆☆

鑑賞日: 2012/01/05　ユーロスペース