●こんなお話
無人島で立場が何度も逆転していく男女のサバイバルな話
詳細ネタバレあらすじ
コンサルティング会社の戦略・企画部門で働くリンダ・リドルは、仕事で成果を上げながらも昇進の機会を得られずにいる。新しくCEOに就任したブラッドリー・プレストンは、前CEOの息子で、リンダが期待していたポジションをドノヴァンに与える。リンダがブラッドリーに問いただすと、ブラッドリーはバンコクへの出張に同行するよう告げる。
飛行機の中では、ドノヴァンがリンダの「Survivor」出演用オーディション映像を取り出し、サバイバルに関する知識を持っていることを周囲に見せてバカにする。ところが飛行中に機体がトラブルに見舞われ、急激な減圧が起こる。ドノヴァンがリンダの座席を奪おうとして襲いかかり、リンダはフォークでドノヴァンの手を刺す。その直後、機内にいた人々が機外へ吸い出され、リンダとブラッドリーが残される。飛行機は海へ墜落し、リンダは機体から脱出して海面へ浮上する。
翌朝、リンダはタイ湾の島に流れ着く。負傷したブラッドリーも生き残っており、二人だけで島に取り残される。リンダは枝や葉を使って雨をしのぐ場所を作り、雨水を集め、魚を捕まえて食料を確保する。ブラッドリーは脚を負傷しており、自分で動くことが難しいため、リンダから水や食料を受け取る。
ブラッドリーがリンダに指示を出し続けるため、リンダはブラッドリーを残して島の別の場所へ移動する。二日後に戻ると、ブラッドリーは水を飲めない状態になっており、リンダが水を与える。その後、リンダは魚を捕まえ、イノシシを仕留めるなどして島での生活を続ける。ブラッドリーには島の反対側へ行かないよう伝え、そこには毒のある植物があると説明する。
ある夜、二人は島で作った酒を飲む。リンダは過去に結婚していたことや、元夫が酒を飲んで運転したこと、その後に事故で亡くなったことを話す。ブラッドリーは翌日、リンダのために食事を作る。その料理には毒のある実が入っており、食べたリンダは体調を崩して動けなくなる。
仲良くなった二人かと思いきや、ブラッドリーはリンダに毒を盛ってしびれさせてその間に作っておいたいかだで島から脱出しようとする。しかし、海へ出たところでいかだが波に壊れ、ブラッドリーは海へ落ちる。リンダは生き残っており、海に落ちたブラッドリーを助ける。
ブラッドリーから毒を盛られたことを知ったリンダは、タコの毒を利用してブラッドリーの身体を麻痺させる。動けなくなったブラッドリーに対して脅しを加え、二人の立場は再び入れ替わる。
その後、ブラッドリーの婚約者ズーリが船で島へやって来る。船長とともに上陸し、ブラッドリーの居場所を尋ねる。リンダは二人を島の奥へ案内し、崖の近くまで連れていく。
ズーリが足を滑らせ、船長が助けようとしたところで二人とも崖から落下する。リンダは一人で戻り、ズーリと船長の姿はなくなる。
その後、ブラッドリーが一人で島を探索していると、ズーリの遺体を発見する。リンダに問いただすと、二人は島の中で争いになる。ブラッドリーはリンダの目を傷つけ、リンダはブラッドリーを刃物で刺す。負傷したブラッドリーは逃げ出し、リンダが入らないようにしていた島の反対側へ向かう。
そこには大きな高級住宅が建っている。ブラッドリーが建物の中へ入ると、食料や設備が整えられていることが分かる。リンダも姿を現し、以前からこの場所の存在を知っていたことが明らかになる。
建物の中でリンダはブラッドリーに銃を向ける。ブラッドリーは銃を奪うが、弾が入っていないことに気づく。二人が争う中、リンダはゴルフクラブを手に取り、ブラッドリーの頭を殴る。
その後、ゴルフトーナメントの会場でインタビューを受けているリンダは、今後は自己啓発本を書く予定だと話す。車にはペットのオウムを乗せており、そのまま走り去るリンダがカメラへ視線を向けておしまい。
●感想
とにかく、いきなり始まるバイオレンスとゴア描写が楽しかったです。飛行機の墜落からしてかなり強烈で、サバイバル映画として状況を整えていくのかと思っていると、そこから二人の力関係が何度もひっくり返っていきます。
最初は会社でブラッドリーがリンダを支配していましたが、無人島に流れ着くと立場が変わります。脚を負傷して動けないブラッドリーに対して、サバイバルの知識を持つリンダが水や食料を確保していく。すると今度はリンダが主導権を握るようになります。
ところが、そこで終わりません。ブラッドリーがリンダに毒を盛り、動けなくなった隙にいかだで脱出しようとします。しかし、いかだはあっさり壊れてしまいます。さらにリンダが海に落ちたブラッドリーを助けるという展開になり、せっかく立場を逆転させたブラッドリーが、またリンダに助けられることになります。
このあたりの「服従したと思ったら逆転し、逆転したと思ったらまた元に戻る」という展開が面白かったです。どちらが主導権を握っているのかが場面ごとに変わるので、次に何が起こるのか分かりません。
ブラッドリーが毒を盛る場面もかなり強烈でした。ブラッドリーがリンダに毒を盛り、身体がしびれて動けなくなっている間に船で逃げようとする。ところが、その脱出計画がすぐに失敗する。そして戻ってきたブラッドリーを今度はリンダが捕まえ、タコの毒を使って動けなくする。この流れが非常にブラックで、思わずニコニコしながら見てしまいました。
さらに、毒を盛られたリンダが吐きながら心臓マッサージをする場面も強烈です。普通のサバイバル映画なら緊迫した救命場面になりそうなところを、ゴアとブラックユーモアを混ぜて見せてくるので、サム・ライミ監督らしい過剰な演出として楽しめました。
後半に入ってからも展開は止まらず。ブラッドリーの婚約者ズーリが島へやって来たことで、二人だけだった状況が変化します。ここからさらに事態が進み、ズーリたちの死、遺体の発見、リンダとブラッドリーの激しい争いへとつながっていきます。
特に後半のズーリの幽霊のような姿を見せる場面は、単なるブラックコメディだけではなく、しっかり怖かったです。突然そこに姿が現れるような見せ方なので、ゴア描写とは違う方向から不気味さを出していました。
そして、ブラッドリーが島の反対側へ逃げた先に高級住宅があるという展開も面白かったです。これまで無人島でのサバイバルを続けていたと思っていたところに、実は島の別の場所に豪華な家が存在していたことが分かります。
そこから最後の二人の対決へ進み、銃を奪ったブラッドリーが弾の入っていないことに気づき、最終的にはリンダがゴルフクラブでブラッドリーを殴る。ここまで来ると、最初の会社での昇進争いからは想像できないところまで話が転がっていくのが驚きでした。
何より楽しめたのは、展開が一つの方向へ進み続けないことです。リンダが優位になったと思えばブラッドリーが反撃し、ブラッドリーが脱出しようとすれば失敗し、再びリンダが主導権を握る。その後もズーリが現れ、高級住宅が見つかりなど。次に何が起こるのか分からないまま、次々と状況が変わっていくのが面白かったです。
無人島を舞台にしたサバイバルに、ブラックコメディ、バイオレンス、ゴア、ホラーを詰め込んだ作品で、かなり好みでした。特に、力関係が何度もひっくり返る構成と、突然入ってくる過激な描写が楽しく、最後まで展開を追ってしまう1作でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2026/10/04 Disney+
| 監督 | サム・ライミ |
|---|---|
| 脚本 | ダミアン・シャノン |
| マーク・スウィフト |
| 出演 | レイチェル・マクアダムス |
|---|---|
| ディラン・オブライエン | |
| エディル・イスマイル | |
| デニス・ヘイスバート | |
| ゼイヴィア・サミュエル | |
| クリス・パン | |
| タネート・ワラークンヌクロ | |
| エマ・ライミ |

