映画【アビス 罪の代償】感想(ネタバレ):臓器密売ホラーの狂宴

The Price We Pay
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●こんなお話

 強盗が避難した民家でサイコパスファミリーに襲われる話。

●感想

 質屋で返済交渉をしていたグレースは、借金の返済ができずに店主と押し問答を続けていた。その最中、アレックス、コディ、シェーンの三人組が店に押し入り、拳銃で店内を制圧する。店主と店員はその場で撃たれて死亡し、店内は血に染まる。偶然その場に居合わせたグレースは三人に銃を突きつけられ、逃走のための運転手として連れ去られる。

 グレースが運転する車で逃走を図るが、走行中に車が故障し、人里離れた場所で立ち往生する。やむなく一行は近くにあった農場へ向かい、そこで暮らす青年ダニーに事情を隠して納屋を借りる。シェーンは銃撃戦で負傷しており、コディが応急処置を施す。アレックスは納屋の内部を調べるうちに隠し通路を発見し、その先に地下室があることを知る。地下室には医療器具や血痕が残され、拘束用の設備も設置されている。

 やがてダニーの祖父と体格の大きな息子ジョディが帰宅する。状況は一変し、祖父は麻酔銃でコディ、シェーン、グレースを撃って無力化する。アレックスも捕らえられる。祖父は地下室で強盗たちを拘束し、臓器の価値について語る。彼らは過去から臓器を摘出し売買していたことが明らかになる。アレックスは拘束されたまま眼球を摘出され、その後ジョディによって殺害される。シェーンは胸部を切開され、臓器を露出させられた状態で衰弱していく。

 グレースは処置台に縛り付けられるが、隙を突いて医療用器具で拘束を外す。祖父に反撃し、ボンベを頭部に撃ち込んで倒す。混乱の中、コディは時間稼ぎのためジョディと対峙するが、激しい衝突の末に頭部を破壊され死亡する。グレースとダニーは壁の隙間にある通路から脱出を図る。

 ジョディは電撃バットを手に追撃してくる。グレースは工具や薬品を使って応戦し、バリケードを築いて時間を稼ぐ。ジョディは傷を負いながらも執拗に迫る。最終的にグレースは有刺鉄線を巻き付けて動きを封じ、刃物でとどめを刺す。

 グレースとダニーは農場から脱出し、車に乗ってその場を離れる。背後には血と破壊の痕跡だけが残る。


 臓器摘出を題材にしたバイオレンス描写が全編にわたり展開され、その容赦のなさが強い印象を残す作品でした。地下室に拘束される展開や、住民が襲いかかってくる構図はジャンル映画として王道であり、安心して身を委ねられる作りになっていたと感じます。

 一方で、画面演出に強い点滅や激しいカメラワークが多く、場面によっては視認しづらい箇所もありました。ただしその混沌とした映像が、物語の狂気と呼応しているとも受け取れます。

 また、臓器摘出という精密さが求められる行為を行っているにもかかわらず、現場はどこか混乱気味で、そのドタバタした空気が独特の味わいを生んでいました。冷酷さと荒々しさが同居する演出が、北村龍平監督らしい勢いを感じさせます。

 閉鎖空間でのサバイバル、狂気の一家、そして決死の反撃という構成はジャンルファンには十分に応える内容であり、バイオレンスホラーの一作として印象に残る体験でした。

☆☆☆

鑑賞日:2026/03/16 DVD

監督北村龍平
脚本クリストファー・ジョリー
出演ジジ・スンバド
タイラー・サンダース
エミール・ハーシュ
スティーヴン・ドーフ
アマゾン・イヴ
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