ドラマ【アウターレンジ ~領域外~ シーズン1】感想(ネタバレ):牧場に開いた謎のブラックホールと隠された殺人事件|静かに進む異色ミステリー

Outer Range Season 1
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●こんなお話

 自分の牧場に大きな穴が空いて、さらにライバル牧場主の息子と揉めて殺人が起こってどうしようとなったり謎の女性が主人公の周りに現れたりする話。

●感想

 アメリカの広大な牧場を舞台に始まる。主人公の家族と、近隣のライバル牧場主との間には長年の因縁があるよう。その中で、両家の息子同士が激しい喧嘩を繰り広げ、主人公の息子が相手を殴り倒した結果、相手は命を落としてしまう。死体を前に動揺する息子たちを見て、主人公は当初警察に通報しようとするが、思い直し、自分の牧場に突如出現した謎の巨大なブラックホールのような穴に死体を落とし、事件を隠ぺいしようとする。

 だが、その現場を偶然にも、牧場の片隅でキャンプしていた謎の女性に目撃されていた。加えて、選挙を控えた保安官代理が事件の捜査に乗り出し、ライバル牧場主も息子の行方を探し始め、主人公一家は追い詰められていく。事件を隠し通そうとする中で、長男の妻の失踪、奇妙な行動を見せ始めるライバル牧場主の息子、さらには主人公の少年時代に隠されたある過去など、次々とサブプロットが展開されていくという。

 最初に巨大な穴が現れ、そこに死体を落としてしまうという衝撃的な展開は非常に引き込まれるものがありました。「一体あの穴は何なのか?」「何が起こっているのか?」という謎が強い興味を引き、期待感もかなり高まるものでよかったです。また、アメリカ西部の広大な自然や牧場の風景も美しく、映像的な魅力は申し分なかったと思います。

 しかし、ストーリーが進むにつれて、描かれる内容がどんどん抽象的になっていき、哲学的なのか象徴的なのかもよく分からない表現が多くなって、理解しようとする気持ちよりも退屈さの方が勝ってしまいました。結果的に、主人公の過去が明かされるシーンに辿り着いても、そこに至るまでの関心がすでに薄れてしまい、「もうどうでもいいかな」という気分になってしまったのが正直なところです。

 ブラックホールの存在や殺人の隠蔽というスリリングな要素があるにもかかわらず、それを中心に物語が大きく展開していかないのも、テンポの悪さを感じる原因だったように思います。その分、保安官代理と家族のパートや、主人公の息子の恋愛模様などは、緊張感も乏しく、ただぼんやりと眺めてしまうだけの時間になってしまいました。最初の1話2話で期待を膨らませた風呂敷が、十分に回収されないまま終わってしまった印象です。

 全体として、ビジュアルや発想に惹かれる部分はあったものの、ゆっくりすぎる展開と、テーマの曖昧さによって緊張感が持続しないシーズンでした。次のシーズンをすぐに観たいと思えるほどの惹きつけは残念ながら感じなかったです。

☆☆

鑑賞日:2025/06/13 Amazonプライム・ビデオ

製作総指揮ローレンス・トリリング
ジョシュ・ブローリン
ブラッド・ピット
監督ジェニファー・ゲッツィンジャー
エイミー・サイメッツ
ローレンス・トリリング
アロンソ・ルイスパラシオス
監督ブライアン・ワトキンス
出演ジョシュ・ブローリン
イモージェン・プーツ
リリ・テイラー
ノア・リード
トム・ペルフリー
タマラ・ポデムスキー
ルイス・プルマン
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