●こんなお話
テキサスレンジャーと麻薬組織の対立と特殊部隊が金を狙ってやってくる話。
●感想
書類上では死亡したはずの男たちが再び姿を現し、密かに活動を開始するシーンから始まります。主人公はテキサス・レンジャーとして、麻薬組織の壊滅を目指して奔走していますが、その組織のボスとは過去に因縁があり、顔見知りであることが描かれます。主人公は直接対話によって手を引くよう説得しますが、ボスは当然ながらそれを拒否。さらに、2人はかつて同じ女性を愛した過去を持ち、現在はその女性が主人公と交際しているという複雑な関係。
一方、死んだはずの男たちによって構成された“幽霊部隊”は、銀行の下調べや主人公への接触など、独自の動きを見せます。その目的が長らく明かされないため、彼らの正体と意図に対する興味を持ち続けながら物語を追うことができました。
物語が進む中で、主人公は麻薬組織との銃撃戦に巻き込まれ、相棒を失ってしまう。そんな中で、幽霊部隊が実在しており、なおかつ麻薬組織の撲滅を目的として行動していることに気づいた主人公は、彼らの隊長と接触し、協力関係を築くことになります。
さらに、主人公の恋人が麻薬組織に拉致されるという事態が発生し、舞台は敵の本拠地へ。幽霊部隊の隊長が交渉のための時間として30分間を提供し、主人公は麻薬組織のボスと直接対話を試みる。対話の末に一騎打ちの展開となり、恋人を取り戻すための最終決戦へと突入。
一方、幽霊部隊の内部でも、隊長が金銭目的で動いていたことが部下に知られ、内部抗争が勃発。隊長は部下によって殺害され、さらにその部下たちも麻薬組織によって葬られるという、三つ巴の熾烈な銃撃戦が展開されていく。
クライマックスでは、主人公が麻薬組織のボスとの一騎打ちに勝利し、女性を救出。組織の残党たちはボスを嫌っており、主人公たちの脱出を手助けする形でおしまい。
全体を通して、砂漠を背景に渋い中年男性たちが繰り広げる対立と葛藤、銃撃戦の数々はまさに“おじさん映画”の醍醐味であり、ただ彼らが映っているだけでも画面に重厚感と魅力が漂っていました。
ただし、物語の展開としては“死んだはずの男たち”が主人公のストーリーラインとは別で動いている時間が長いため、物語の焦点がややぼやけてしまい、観客としては次に何が起こるのかの方向性が掴みづらい印象もありました。幽霊部隊が味方なのか敵なのか曖昧なまま物語が進行するため、緊張感はあるものの、全体的にはやや散漫な印象を受けました。
とはいえ、西部劇と現代サスペンスが融合したような独特の世界観と、渋い男たちのぶつかり合いには強い魅力がありました。演出や演技に惹かれる方にはぜひ一度ご覧いただきたい作品です。
☆☆☆
鑑賞日:2014/01/25 DVD 2024/08/28 U-NEXT
監督 | ウォルター・ヒル |
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脚色 | デリク・ウォッシュバーン |
ハリー・クライナー | |
原案 | ジョン・ミリアス |
出演 | ニック・ノルティ |
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パワーズ・ブース | |
マリア・コンチータ・アロンゾ | |
リップ・トーン | |
マイケル・アイアンサイド |