映画【リボルバー・リリー】感想(ネタバレ):壮大なスケールで描く陰謀と逃亡劇!

Revolver Lily
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●こんなお話

 少年が持っている大金の情報を巡って陸軍が追いかけてくるのを元凄腕のスパイが守る話。

●感想

 大震災直後と思しき東京の洋裁店にて、主人公が服を仕立ててもらっている場面から始まります。その直後、舞台は秩父の別荘へと移り、何者かが使用人たちを脅して主人の居場所を尋ねるも、口を割らない使用人たちを次々と殺害していきます。その場には、偶然にもひとりの少年が隠れており、命からがら逃げ出すことに成功。

 一方、主人公は新聞でその惨劇の記事を目にし、何かしら面識のある人物が巻き込まれたらしいことから現地へ向かいます。途中の汽車の中で偶然にも逃げ延びた少年と出会い、彼がかつての知人の子であり、「何かあったらこの人を頼れ」と言われていたことが明かされる。汽車内では陸軍の追手との銃撃戦も発生し、緊張感が高まります。

 東京に戻った主人公と少年は、主人公が経営する店舗に身を寄せます。ここで弁護士が登場し、調査を進めるうちに、少年の父親が外務省や山本五十六を巻き込むほどの巨万の富を築いていたこと、その財産を巡って陸軍と海軍の両勢力が暗躍していることが明らかに。少年がその遺産を引き継ぐためには、彼が持つ暗証番号と指紋が不可欠であるため、命を狙われている。

 その後、少年は一時ヤクザに拉致され、主人公が命を懸けて解放交渉を行います。さらに、暗証番号の手がかりがあるというお寺へ向かう道中、陸軍の襲撃を受け、海軍の庇護を求めて海軍省へと逃げ込みます。海軍省では、再び陸軍との壮絶な銃撃戦が展開され、主人公たちは数的不利な状況にも関わらず、奮闘して敵を次々と倒していきます。

 最終的に、少年は無事に海軍省までたどり着き、主人公は平和の重要性を訴えておしまい。

 しかしながら、いくつかの演出においては、やや没入感に欠ける部分もありました。たとえば、銃撃戦の演出において、少数の登場人物が棒立ちのまま大量の陸軍兵士を難なく撃ち倒していく場面は、リアリティに欠け、アクションの面白さを感じづらい印象でした。また、海軍の職員たちが目前での大規模な銃撃戦を傍観している様子も、物語上の説得力に乏しいように思います。

 さらに、弁護士が外務省に連れ去られて説明を受ける場面では、長時間の会話劇によって緊張感が薄れ、テンポが悪く感じられました。登場する謎の老婆の正体や役割も明確に描かれず、主人公たちが危険に晒されている状況にも関わらず、警戒せずに普段通りの生活を送っている描写には、やや違和感を覚えました。

 アクション映画で140分という長尺は、内容が濃密であれば歓迎されるかもしれませんが、今回はその長さがやや冗長に感じられ、集中力を維持するのが難しい作品であったように思います。

☆☆

鑑賞日:2024/08/25 U-NEXT

監督行定勲 
脚本小林達夫 
行定勲 
原作長浦京
出演綾瀬はるか 
長谷川博己 
羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)
シシド・カフカ 
古川琴音 
清水尋也 
ジェシー(SixTONES)
佐藤二朗 
吹越満 
内田朝陽 
板尾創路 
橋爪功 
石橋蓮司 
阿部サダヲ 
野村萬斎 
豊川悦司 
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