●こんなお話
アラスカの研究所で研究員の謎の死事件が起きて捜査する警察署長や州警察の話。
●感想
アラスカの寒冷地にある研究所。そこでは研究員たちが静かに日常を過ごしていたが、ある日その研究所を訪れた者が、誰もいない異常な状況に気づく。連絡が途絶えたことを受けて、地元の警察が捜査を開始。主人公である警察署長、副署長、その息子の若手警官たちが中心となって事件の真相を探っていく。
署長はかつてコンビを組んでいた元同僚の警官と再会するが、過去の未解決事件をめぐってわだかまりが残っており、再びの共闘にはぎこちない空気が漂っている。
やがて、研究員たちの遺体が氷漬けの状態で発見される。遺体は解凍され、死亡の原因を探る中で、まだ行方のわからない研究員が1人いることがわかる。捜査は進展するが、研究所が有害物質で汚染されている可能性、さらには背後に巨大企業が関与しているという疑惑も浮上してきたり。
活動家たちも登場し、企業と地域社会との緊張感が高まる中、主人公の義理の娘が活動家側に接近してさらに事態を複雑にしていく。彼女の行動が事件の核心に触れる一方で、警察内部でも対立が表面化。企業側の思惑に取り込まれている副署長と、真相を追い求める主人公が対立する構図になる。
失踪していた研究員をついに発見し、事情を聞くが、核心にはなかなか迫れない。最終的に、研究所で働いていた清掃員たちの証言が鍵となり、事件の真相らしきものが語られておしまい。
氷漬けの遺体というビジュアルインパクトは非常に強く、「なぜこんなことが?」という謎が広がっていく過程は引き込まれる展開でした。アラスカの厳しい自然の中で、地元の警察たちが手探りで事件を追うという設定にも惹かれるものがありました。
一見すると刑事ドラマのようでいて、ところどころホラー的な演出や、抽象的で象徴的な表現が差し込まれる点も特徴的。白熊など、自然を象徴する存在が物語に含まれることで、単なるサスペンス以上の深みを演出しようという意図は伝わってきました。
ただ、広がった謎の割に、最終的に語られる真相が「凍死だったのか?」という拍子抜けするもので、肩透かしを食らった感は否めなかったです。回想で描かれる真相もややぼんやりしていて、あれだけ引っ張った展開のわりには、企業の陰謀や地域社会との軋轢といった魅力的な要素が充分に活かされていない印象でした。
6話を通して観終わった時、「結局この事件は何だったんだろう」と少しもやもやする感想が残るシリーズだで。ただ、寒冷地を舞台にした映像の美しさや、雰囲気作りへのこだわりには光るものがあり、そうした点では一見の価値がある作品だと感じました。
☆☆☆
鑑賞日:2024/05/29 U-NEXT
監督 | イッサ・ロペス |
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脚本 | イッサ・ロペス |
出演 | ジョディ・フォスター |
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カリ・レイス | |
ジョン・ホークス | |
フィン・ベネット | |
イザベラ・ラブラン | |
フィオナ・ショウ | |
クリストファー・エクルストン |