●こんなお話
猿が通過儀礼をしようとしてたら別の猿の軍団に自分の村を襲撃されて仲間をさらわれたのでレスキューする旅の話。
●感想
知能を持ったエイプたちが暮らす世界。主人公を含む若いエイプたちは、通過儀礼のように、崖の上にある鳥の巣から卵を1つずつ取ってくるという試練に挑む。みんな必死に崖を登り、それぞれが卵を手にして村に戻る。
ところが村には人間が侵入していて、主人公はそれを追いかける途中で大切な卵を落として割ってしまう。もう一度取りに戻ろうとするが、そのすきに別のエイプの集団が村を襲撃。主人公は仲間や両親を助けようと奮闘するが敵わず、気づけば村は壊滅し、生き残った者はわずか。
そこから主人公は捕らわれた仲間たちを救う旅に出る。道中で出会うのは、知恵深いオランウータンや、言葉は話せないけれど意思疎通のできる人間の女性。一行は、襲撃を仕掛けたグループのアジトへと向かう。そのアジトには、人間に仕えるしもべのような存在もいて、少しずつ人間とエイプの関係の過去が見えてくる。
再会を果たす家族や仲間たち。襲撃グループのボスがこだわるのは、人間が遺した巨大な貯蔵庫。中には人類の兵器や知識が眠っている。しかしボスにはその扉を開ける術がなく、同行していた人間の女性だけが開け方を知っていた。主人公もそれを破壊したいという思いを抱いており、目的が一致した2人は貯蔵庫の中へと進む。
クライマックスでは、防波堤を破壊して洪水を起こし、敵の本拠地を水没させる作戦に出る。その最中、敵との壮絶な追走劇が繰り広げられ、鳥を操って敵を倒すというファンタジックな展開もあり、エンディングへ。
猿のCG表現はもはや当然のように完成度が高く、リアルな表情や動きに終始驚かされます。人間の出番は非常に少なく、エイプたちの社会や文化、関係性に焦点を当てた世界観がしっかりと構築されていました。
ただし、物語のテンポはかなりゆっくりで、140分の尺に対して起こる出来事がやや少なく感じられたのも正直なところで。登場するエイプたちの見分けがつきにくく、名前もノア、シーザー、エカ、ノヴァと似ていて混乱する場面も多かったです。
「猿の惑星」というシリーズがこのままどこへ向かっていくのか、改めて考えさせられるような、不思議な余韻の残る一本でした。
☆☆
鑑賞日:2024/05/11 イオンシネマ座間
監督 | ウェス・ボール |
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脚本 | ジョシュ・フリードマン |
リック・ジャファ | |
アマンダ・シルヴァー | |
パトリック・アイソン |
出演 | オーウェン・ティーグ |
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フレイヤ・アーラン | |
ケヴィン・デュランド | |
ピーター・メイコン | |
ウィリアム・H・メイシー |