映画【県警対組織暴力】感想(ネタバレ):警官とヤクザの暴力と義理人情映画

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●こんなお話

 ヤクザみたいな警察とヤクザが対立しながらも癒着もしてたりする話。

●感想

 主人公の警察官はヤクザをいきなりぶん殴って、高級ライターのダンヒルを奪い、自分の食事代まで払わせるというとんでもない登場。正直、やってることはヤクザとほとんど変わらなくて笑えます。

 その後も、警察とヤクザ、政治家が絡み合う壮絶な裏社会の関係性が次々に描かれていく。警察が突入してきたかと思えば、そのパトカーを使ってヤクザがそのまま逃走するという、笑ってしまうような場面もあるが、これが実際の事件をベースにしているというのがさらに衝撃。

 主人公の警官(菅原文太)は、昔から付き合いのある地元ヤクザ(松方弘樹)と、持ちつ持たれつの関係を築いてきた。しかしヤクザ抗争が激化し、警察の対策が本格化するにつれて、二人の関係にもひびが入り始める。

 警察内でも、取調室で敵対する組のヤクザを容赦なくボコボコにするなど、暴力が当たり前に行われていて、それが妙にリアルで笑ってしまうほど。ただ、こうした描写も当時の実態を元にしているから、単なる誇張ではないところが恐ろしいです。

 他にも、佐野浅夫演じる刑事が人妻と関係を持ち、ホテル代をヤクザに出してもらうなど、倫理観が完全に崩壊している登場人物ばかりで、そこもまた物語のリアリティにつながっていると思います。

 やがて、エリート警官として梅宮辰夫が登場し、内部の腐敗を暴いていくことで、菅原文太と松方弘樹の蜜月関係が終わりを迎える。地元警察とヤクザの関係に、県警が割って入ってくるが、その県警ですら実は別の組織とつながっていたりと、腐敗の構造が次々に明かされていく。 

 中盤の見どころは、梅宮辰夫がカレーを食べながら菅原文太に「あなたは何歳だ」と問いかけられ、「31だ」と答えるやり取り。そこから始まる、「あのときみんなヤミ米を食べて生きていた。清算しないで何がきれいごとか」という台詞が、この作品の本質を突いていると思いました。善悪が単純に分けられないこの世界の真実が、凝縮された名シーンです。

 クライマックスの銃撃戦も一気に展開し、緊張感が高まる。エリートだった梅宮は最終的に天下りしてサラリーマンに、菅原は交番勤務になって、雨の中トラックにひかれてしまう。犯人は明かされないが、それが松方の子分か、それとも梅宮の指示か…観る者に含みを残すラストになっている。

 100分間に怒涛の展開が詰め込まれていて、息をつく暇もないジェットコースタームービー。暴力と裏切り、友情と破滅が交差する、人間臭くて濃密な映画でした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2014/12/01 DVD 2024/05/05 Hulu

監督深作欣二 
脚本笠原和夫 
出演菅原文太 
梅宮辰夫 
佐野浅夫 
山城新伍 
汐路章 
林彰太郎 
有川正治 
森源太郎 
藤岡重慶 
北村英三 
笹木俊志 
鈴木瑞穂 
中村錦司 
鈴木康弘 
松方弘樹 
遠藤太津朗 
室田日出男 

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