●こんなお話
結婚を認めてもらいに来た主人公たちが敵対する別武術の派閥と揉めたり李鴻章暗殺の陰謀を阻止したりする話。
●感想
李鴻章が主催する武術大会の開催が決まり、物語はそこから動き始める。主人公は父親に婚約者との結婚を認めてもらおうと挨拶に訪れるが、その直前に敵対する武術流派が道場に押しかけ、ご先祖から大事に受け継いできた獅子舞の頭を壊してしまう。怒った父親はその場で立ち向かうも敗れてしまう。
主人公は結婚の話を切り出すべきか迷いながら、各流派同士のいざこざに巻き込まれていく。仲裁役として奔走する中で、婚約者と旧知のロシア人男性が親しくしている様子に嫉妬心を抱く場面も描かれる。物語中盤では、主人公が敵の道場に単身乗り込み、油をまかれた滑る床で苦戦しながらも戦うシーンが印象的。
やがて、ロシア人が日本との交渉を失敗させるために李鴻章暗殺を企てていることが明らかになる。その証拠を、主人公たちが偶然カメラで撮影してしまい、陰謀を阻止すべく動き出す。迎えた武術大会当日、獅子舞を使った迫力あるバトルが繰り広げられる一方、婚約者もロシア人に秘密を知られ命を狙われるという緊迫の展開となる。
クライマックスの獅子舞バトルは熱気あふれる迫力の映像で見応え十分ながら、少し長く感じるほどのボリュームだったと感じます。恋に揺れる主人公の姿はシリーズ前作の印象とはやや異なり、その変化に戸惑いを覚える部分もありました。それでも中国武術アクションの力強さと華麗な技の応酬はやはり見事で、スクリーンの熱量は最後まで衰えません。
そして本作で特に印象に残ったのは、実は主人公ジェット・リーではなく、序盤で主人公の父親を倒す足技の達人の存在です。彼は後に負傷し、仲間から罵られる中で主人公たちに助けられ、その恩義から共に戦うようになります。この展開は王道ながら熱く、彼こそもう一人の主人公ともいえる存在感を放っていました。
☆☆☆
鑑賞日:2023/01/10 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ツイ・ハーク |
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脚本 | ツイ・ハーク |
カーボン・チョン |
出演 | リー・リンチェイ(ジェット・リー) |
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ロザマンド・クワン | |
マク・シウチン | |
ラウ・シュン |