映画【オーシャンズ12】感想(ネタバレ):華やかで軽妙な犯罪劇の続編

Ocean's Twelve
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●こんなお話

 前作のカタキ役に金返せと言われてまた盗みをやるけど他の凄腕の泥棒とか捜査官とかが邪魔してくる話。

●感想

 前作で手痛い目に遭ったホテル王が、主人公とその仲間たちの前に再び姿を現す。彼は報復として、それぞれの秘密を握り脅迫する。逃げ道を失った彼らは再びチームを組み、ヨーロッパでの新たな仕事に挑むことになる。

 今回の標的は、情報屋から持ち込まれた「世界で1枚しかない証券」。ブラッド・ピット演じるメンバーの元恋人である女性捜査官が監視する厳重な建物に潜入する計画が立てられる。ビル全体を傾けて内部に侵入するという奇抜な作戦で挑むが、いざ金庫を開けると中身は空。すでに別の泥棒が先に仕事を終えていたのだ。

 その泥棒は「自分こそ世界一だ」と挑戦状を叩きつけてくる。彼が狙うのは、美術館に展示される「金の卵」。主人公たちは再び綿密な計画を立て、ライバルとの知恵比べに挑むことになる。だが、ライバルの通報によって彼らは逮捕され、チームは窮地に陥る。残ったメンバーは、ハリウッド俳優になりすまして会場に潜入し、騒動を起こして卵を盗もうとするが、計画は失敗。女性捜査官に正体を見抜かれ、全員が拘束されてしまう。

 誰もが終わったと思ったその時、マット・デイモン演じるメンバーの母親が登場。FBIの幹部に変装して全員を救い出す。さらに驚くことに、彼女は伝説の大泥棒であり、ライバルが狙うよりも先に金の卵を奪っていたことが明らかになる。すべては裏で仕組まれた計画のうちだった。ラストではブラッド・ピットが元恋人である捜査官と、その父親で伝説の大泥棒を再会させ、おしまい。

 シリーズらしい華やかさとテンポの良い会話劇は健在ながら、今作ではキャストの一体感がやや薄く、それぞれが個別に動いている印象が残りました。全員が集まって一つの目的に挑む爽快さよりも、巧妙に張り巡らされた計画とその種明かしを淡々と見せていく作りでした。

 ジュリア・ロバーツが劇中で「ジュリア・ロバーツ本人のそっくりさんを演じる」という展開は意外性よりもやや興ざめな印象がありました。また、ビルを傾けるという大胆な作戦も、肝心の部分を映さずに終えてしまうため、映像的な爽快感に欠けていたと思います。

 それでも、豪華キャストが繰り広げる軽妙な掛け合いにはシリーズならではの魅力があり、犯罪劇の裏にある仲間意識や遊び心はしっかりと残っていました。マット・デイモンの母親が現れてすべてをひっくり返す展開は驚きこそあったものの、ラストの種明かしには少し肩すかしを感じました。スマートな犯罪チームのはずが、最後はファミリーコメディのような温かさを残す、そんな不思議な後味の作品でした。

☆☆

鑑賞日:2022/11/26 NETFLIX

監督スティーヴン・ソダーバーグ 
脚本ジョージ・ノルフィ 
出演ジョージ・クルーニー 
ブラッド・ピット 
マット・デイモン 
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ 
アンディ・ガルシア 
ドン・チードル 
バーニー・マック 
ジュリア・ロバーツ 
ケイシー・アフレック 
ヴァンサン・カッセル 
エリオット・グールド 
スコット・カーン 
カール・ライナー 
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