映画【モータルコンバット】感想(ネタバレ):真田広之の復讐が炸裂する異世界格闘アクション超大作

mortal-kombat-2
スポンサーリンク

●こんなお話

 魔界と人間界が戦っている世界で選ばれた人間たちが頑張るけど、真田広之さんが最後に全部持っていく話。

●感想

 1617年の日本。忍者集団・白井流の剣士ハサシ・ハンゾウは、妻子とともに静かな暮らしを送っていた。しかし敵対する戦士ビ・ハンが部下を率いて襲撃を開始し、白井流の一族を容赦なく虐殺していく。ハンゾウは激しく抵抗し、多くの敵を斬り倒すが、氷を自在に操るビ・ハンの力の前に追い詰められる。家族も殺害され、怒りに燃えるハンゾウは死闘を挑むものの、最後は氷の刃で貫かれて命を落とす。ただし幼い娘だけは床下に隠されて生き延びており、その場に現れた雷神ライデンによって救出される。

 時代は現代へ。総合格闘家コール・ヤングはかつて期待された選手だったが、現在は地下格闘技で敗北を重ねながら賞金を稼ぐ生活を送っている。彼の胸には生まれつきドラゴンの痣があり、それは古代から続く異世界トーナメント“モータルコンバット”の戦士に刻まれる印だった。

 一方で特殊部隊員ジャックスは傭兵カノウを追跡していた最中、同じ痣を持つコールの存在を知る。そんな中、外界アウターワールドの魔術師シャン・ツンは、正式な大会を待たずに地球側戦士を皆殺しにしようと計画し、ビ・ハン――現在はサブ・ゼロと呼ばれる存在――を送り込む。サブ・ゼロはジャックスを襲撃し、氷の能力で両腕を凍結粉砕する。重傷を負ったジャックスはコールを逃がし、自らは瀕死の状態で救助される。

 コールは家族を守るため、特殊部隊のソニア・ブレイドの隠れ家へ向かう。ソニアは長年モータルコンバットの存在を追い続けており、痣を持つ戦士たちが地球代表であること、外界がすでに9連勝していること、次に敗北すれば地球が侵略されることを説明する。そこには拘束された傭兵カノウもいたが、彼もまた痣を持つ戦士だった。

 やがてコールたちはライデン神殿へ移動する。そこには炎を操る戦士リュウ・カンと、鋭利な帽子を武器にするクン・ラオが待っていた。ライデンは彼らに、選ばれし戦士は“アーケイナ”と呼ばれる特殊能力を覚醒させる必要があると説明する。

 修行が始まると、カノウは精神的刺激によって目からレーザー光線を放つ能力を覚醒させる。ジャックスも寺院で義手を与えられ、己の弱さを克服したことで巨大な金属アームへと進化させる。しかしコールだけは何も発現できず、自分が本当に選ばれた存在なのか悩み続ける。

 その頃、シャン・ツン側も行動を開始する。翼を持つ怪物ナタラ、四本腕の巨漢ゴロー、牙を持つ暗殺者ミレーナらが地球側へ送り込まれる。さらにカノウはシャン・ツンの誘惑に乗り、地球側を裏切る。

 神殿への襲撃が始まり、クン・ラオは高速回転する帽子でナタラを真っ二つに切断する。しかし直後にシャン・ツンに魂を吸収され死亡。ソニアは裏切ったカノウと戦い、庭の置物のノーム像を使って片目を刺し貫いて倒す。カノウの痣を受け継いだことで、ソニアもエネルギー弾を放つ能力を覚醒させ、その力でミレーナを撃破する。

 一方コールの家には巨大な怪物ゴローが送り込まれる。ゴローは四本の腕で家を破壊しながら襲いかかり、妻子を危険に晒す。家族を守ろうとした瞬間、コールはついにアーケイナを発現させる。全身を覆う特殊な防具とトンファー状の武器を形成し、その力でゴローを倒す。

 ライデンは正式大会前に敵を各個撃破する作戦を決行する。リュウ・カンは超高速のカバルと戦い、巨大な炎の龍を召喚して焼き尽くす。ジャックスは強化アームでレイコの頭部を粉砕する。

 そして最大の戦いが始まる。サブ・ゼロはコールの家族を氷漬けにしながら追い詰めるが、その瞬間、地獄からハサシ・ハンゾウが復活する。彼は“スコーピオン”として現れ、鎖付きの槍を放ち、サブ・ゼロへ襲いかかる。

 スコーピオンとコールは共闘し、氷と炎がぶつかり合う壮絶な戦いとなる。サブ・ゼロは圧倒的な強さを見せるが、最後はスコーピオンが炎で包み込み、焼き尽くして決着をつける。こうして白井流壊滅から続いた復讐が果たされる。

 戦いの後、シャン・ツンは「死は終わりではない」と言い残し、敗れた戦士たちの復活を示唆しながら姿を消す。ライデンは次なる戦いへ備える必要があると語り、コールは新たな戦士を探す旅へ出る。その目的地はハリウッドであり、ポスターには“ジョニー・ケイジ”の名前が映し出されているのだ。でおしまい。


 人間界と魔界が戦っていて、しかも人間側が9連敗中という設定からしてかなり追い詰められた状況なのですが、その世界観説明を勢いで押し切っていく豪快さが実にゲーム映画らしい作品でした。細かい理屈よりも「とにかく強そうな連中が異世界の存亡を懸けて殴り合う」という熱量を前面に押し出していて、そこに乗れるかどうかで評価が大きく変わる映画だと感じました。

 やはり最大の見どころは真田広之さん演じるハサシ・ハンゾウ=スコーピオンの存在感でした。冒頭の日本パートから空気が完全に変わり、氷の中で忍者たちが死闘を繰り広げる場面は異様な迫力があります。ハリウッド映画で何度も散ってきた真田広之さんですが、本作では復讐鬼として復活し、終盤で一気に主役を食う勢いを見せていました。炎をまとって登場する瞬間の高揚感はかなり強烈で、「モータルコンバット」というタイトルを象徴するキャラクターになっていたと思います。

 しかも敵のサブ・ゼロが非常に格好よかったです。氷の能力を駆使して空間そのものを凍らせながら戦う姿には圧倒的な威圧感があり、クライマックスでは実質一人で主人公側二人を相手にしているため、悪役なのに妙に応援したくなる存在感がありました。特に短剣を氷で生成したり、血を凍らせて武器化する演出は非常に残酷で印象的でした。

 アクション面は完全にゲームファン向けのサービス精神に溢れていて、人が真っ二つになったり、身体が爆散したり、内臓が飛び出したりと、とにかく容赦がありません。近年の大作アクション映画としてはかなり過激なゴア描写が続き、「そこまでやるのか」と笑ってしまうほどでした。特にクン・ラオの帽子を使った攻撃やジャックスの豪快なフィニッシュは、ゲームのフェイタリティ演出をそのまま映像化したような勢いがありました。

 ただ物語については、原作ゲームを知らないとかなり置いていかれる部分も多かったです。主人公コールが急に「選ばれし者」だと説明され、そのまま修行に参加していく流れがかなり早く、感情移入する前に次々と展開が進んでいきます。修行パートも短く、仲間同士の交流がそこまで深く描かれないため、チームとしての結束が見えにくかった印象もありました。

 浅野忠信さん演じるライデンも独特な存在でした。突然雷とともに現れて意味深な言葉を残し、また消えていくという神様らしい立場なのですが、具体的に何をしているのかは最後までかなり曖昧です。その浮世離れした雰囲気も含めて、ある意味ゲームキャラクターらしい魅力にはなっていました。

 また「1対1なら勝てる」という終盤の作戦も勢い重視で、理屈よりノリで突破していく展開になっていました。そこを細かく考えると戸惑う部分もありますが、「ゲームの対戦形式を映画に落とし込むとこうなるのか」という面白さもありました。

 そして何より、最後に地獄から蘇ったスコーピオンが全てを持っていく映画でした。主人公コールよりも遥かにドラマ性と存在感が強く、続編ではさらに活躍を見たくなるキャラクターだったと思います。ゲーム映画として見ると粗削りな部分も多いですが、残虐アクションとキャラクターの濃さを全力で楽しむタイプの作品としては非常に満足感のある一本でした。

☆☆☆

鑑賞日:2021/06/18 シネマサンシャイン平和島 2022/02/26 NETFLIX 2026/05/12 U-NEXT

監督サイモン・マッコイド 
脚本グレッグ・ルッソ 
デヴィッド・キャラハム 
原作ゲーム創造エド・ブーン 
ジョン・トビアス 
原案オーレン・ウジエル 
グレッグ・ルッソ 
出演ルイス・タン 
真田広之 
浅野忠信 
ジョー・タスリム 
ジェシカ・マクナミー 
ジョシュ・ローソン 
メッカド・ブルックス 
ルディ・リン 
チン・ハン 
マックス・ファン 
シシィ・ストリンガー 
マチルダ・キンバー 
ローラ・ブレント 
タイトルとURLをコピーしました