映画【狼たちの絆】感想(ネタバレ):三人組が再び集う!ジョン・ウーが描く絵画泥棒アクション

once-a-thief
スポンサーリンク

●こんなお話

 絵画を盗む泥棒たちが自分たちを罠に嵌めた連中にリベンジする話。

●感想

 香港を拠点に活動する泥棒コンビとヒロインの三人組が、フランスで名画の盗難を企てる。トラックに飛び乗るなど派手なアクションを交えながら作戦は進行し、見事成功したかに見えたが、チョウ・ユンファ演じる仲間が事故で命を落とすという出来事が起きる。その後、香港に戻った残りの二人は、因縁のある絵画がオークションに出されると知り、再び盗みを計画する。ところが、死んだはずのチョウ・ユンファが車いす姿で現れ、生存していたことが判明する。三人は再びチームを組み、絵画奪還に挑むことになる。

 本作は、ジョン・ウー監督が手がけた作品の中でも珍しいアクションコメディで、軽快なテンポと派手な演出が特徴的でした。序盤からゆるやかなコメディ調の展開が続き、登場人物たちの掛け合いや空気感に馴染めるかどうかで、作品への入り方も変わってくるように感じました。ただ、私はその空気も含めて、ジョン・ウー監督の幅広い演出力を楽しむことができました。

 盗みの場面もユーモラスに描かれていましたが、中盤からはジョン・ウー監督らしい銃撃戦がきっちりと登場し、飛び跳ねながらのアクションや、くるくると回転して銃を撃つおなじみのスタイルに、思わずニヤリとしてしまいました。終盤のクライマックスに向けては緊張感が増し、特に敵キャラクターのひとりがトランプを飛ばして攻撃するという奇抜な演出には驚かされ、楽しかったです。

 その敵の最期も印象的で、炎に包まれる演出には過剰なインパクトがありながらも、どこか虚無的な余韻も漂っていたように思います。そして、チョウ・ユンファ演じる人物が再び立ち上がり、驚くほど俊敏な回し蹴りを見せてくれる展開には、思わず笑みがこぼれるほどの驚きと爽快さがありました。

 銃撃戦の迫力、キャラクターの軽妙なやりとり、そして物語の中で再び交差する友情と絆の描写が心地よく、エンタメとして非常に満足度の高い一本でした。何も考えずに身を任せて観られる娯楽作品として、とても楽しめる内容だったと思います。

☆☆☆

鑑賞日:2020/11/30 DVD

監督ジョン・ウー 
脚本ジョン・ウー 
クリフトン・コウ 
出演チョウ・ユンファ 
レスリー・チャン 
チェリー・チェン 
ケネス・ツァン 
チュウ・コン 
タイトルとURLをコピーしました