●こんなお話
若者たちがめちゃ怖い一家に襲われる話。
●感想
スタイリッシュな映像がとにかくかっこよくて、広がる美しい景色と対照的に登場する暗くてジメジメした地下室など、雰囲気づくりが抜群。映像のトーンだけでも引き込まれるもので、センスの良さが感じられてかっこよかったです。
物語は、旅をしている主人公たちが、茫然自失の女性を車に乗せてしまったことから一気に恐怖の展開へと進んでいく。最初はただの親切心だったのに、その出会いが地獄の入り口という。助けを求めようとする先々で出会う人々がことごとく異常で、逃げ場がなくなっていく。追い詰められていく主人公たちの姿が本当に気の毒で、観ている側も心が削られていく感覚になりました。
特に保安官とのやり取りは緊張感がすごいです。まともな味方が誰もいないという状況の中で、逆に正義の象徴であるはずの存在が狂っているのがまた怖い。暴力的で支配的な保安官のシーンは、単なるジャンプスケアとは違ったじわじわくる怖さがありました。
そしてレザーフェイスの登場。巨体で重たい足音を響かせながら全力で走ってくる姿はとんでもないインパクト。登場した瞬間に「これは絶対逃げ切れない」と思わせる説得力があって、画面に映るだけで緊張感が跳ね上がるものでした。チェーンソーを持ったレザーフェイスに追いかけられる恐怖は、スプラッター好きにはたまらないと思います。
狂った家族に囲まれながら、生き残りをかけて必死に逃げる主人公たち。ところがなぜか子どもだけが彼らに手を差し伸べようとする描写があり、そこはちょっと意図がよくわからなかったですが、全体的には絶望感の演出がとてもよくできていて、どんどん仲間がやられていく展開もハラハラさせられました。
最後まで安心できるシーンがほとんどなく、逃げ場のないサバイバル感がずっと続くから、ホラーやスリラーが好きな人にはかなりおすすめできる作品で。レザーフェイスの恐怖と不条理に満ちた世界観をしっかり味わえる、なかなか面白い映画でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2012/06/23 DVD
監督 | マーカス・ニスペル |
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脚本 | スコット・コーサー |
トビー・フーパー | |
原作 | トビー・フーパー |
出演 | ジェシカ・ビール |
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ジョナサン・タッカー | |
エリカ・リーセン | |
マイク・ヴォーゲル | |
エリック・バルフォー | |
デイヴィッド・ドーフマン | |
R・リー・アーメイ |