映画【容疑者X 天才数学者のアリバイ】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　お姉さんとその姪っ子が元夫がバイオレンスなのでおもわず殺害してしまったら隣人の冴えないおじさんが天才的な物理学者で窮地を救ってくれるけど警察の捜査がしだいに迫ってきて…な話。

●感想

　学校の教師で家でも静かに暮らす主人公がいて、お隣さんの女性とその姪っ子がいる。そのお隣さんはお弁当屋さんで働いていて主人公は毎朝そこのお弁当を買う常連さん。

　その隣さんのもとに元夫が急にお隣さんの家に現れて上がり込んで襲ってきたのでお隣さんと姪っ子が殺害してしまう。その物音を聞いて主人公が訪ねてきて、自分の言うとおりにすれば大丈夫となる。

　後日、河川敷で死体が見つかって現場の状況から元夫だということで刑事が動機があるということでお隣さんを容疑者と考えて質問してくる。主人公がお隣さんとは他人のふりをして夜な夜な、公衆電話からお隣さんに電話をかけてアドバイスを送る。

　アドバイス通りの行動をしてアリバイを作って刑事の疑いをかわしていくお隣さん。刑事と主人公が高校の同級生だということがわかって、刑事はいろいろ話してくれる。けど刑事は主人公がお隣さんに恋をしていると気づいて主人公に疑惑の気持ちを向ける。

　主人公はお隣さんに元職場の男性が近づいてるのに気づいてそわそわし始めて、さらに刑事からも本当のことを言え的なことを話して、主人公は元職場の人間の前に現れて暴れて逮捕されて、自分はお隣さんにストーカーしていたということを発言をして、さらに元夫の殺害も自供。

　刑事はそんなことはないということで、自分の推理を話す。主人公はホームレスを殺害して元夫の死体として偽装。本当の死体は主人公だけが知るという。お隣さん、護送される主人公に謝罪して主人公も涙しておしまい。

　今まで生きる意味を見失っていた男が隣に引っ越してきた女性に恋をして生きる希望になって、それが原動力となりトリックを考えて警察を欺くけどしだいに追い詰められていくと自己犠牲の精神を発揮するという流れ。愛する人のために自己犠牲になるという行動は物語として感動できる要素の重要な部分でこの映画ではクライマックスに全てがわかり登場人物の感情の爆発と見てるこちらの感情がしっかりとシンクロするので感動できる物語でした。

　ただ、序盤の設定が甘いような気がして、殺害してしまった女性がその時にいきなり訪ねてきた隣人を家に招き入れるものなのかな?　というのが大前提であって、いま人を殺しておいて扉を開けるという動機の部分が不鮮明のため乗り切れない映画でした。
　それには映画の序盤で早々に殺人を起こすのではなく。しっかりと主人公同士の結びつきを描いてから、殺人。という流れにしないと、相当心を許した人でないと家にあげないと思ってしまったり、それに元夫もただ殺されるためだけの記号のような存在で、仮にも元夫であった人間が何でこんな暴力だけの男なんだろうかと。なら何故結婚したんだと。愛してた男ではないのか。それに人殺してるのにそこらへんはボカされて愛の物語になってしまうのは展開上仕方のないことなのか。ホームレスさん可哀想すぎる1本と感じてしまいました。

　とはいえ、役者さんのお芝居をメインに119分じっくりとみられる面白い映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2013/10/26 DVD　2024/04/07 Hulu