映画【第9地区】感想(ネタバレ):リアルな世界観で描くSFアクション!エイリアンと人間の境界を超えたバディムービー

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●こんなお話

 エイリアンが難民として隔離されている世界で、新しい地区に強制移住させようするけど。そこでエイリアンの謎の液体を浴びた主人公が【ザ・フライ】よろしく半分エイリアンになって、人間から追われてエイリアンたちと共闘していく話。

●感想

 ドキュメンタリー風のタッチで、エイリアンの専門家や関係者へのインタビュー形式を通して、この映画の世界観と物語の舞台が丁寧に描かれていきます。序盤では主人公が民兵たちとともにエイリアンを強制移住させようと奮闘する様子が映し出されていって。その過程で謎の液体を浴びてしまい、左手がエイリアンの手のように変異。そこから企業に拉致され、さまざまな実験を受けることで物語が大きく動き始める。

 エイリアンたちが難民のような立場で人間社会に迷惑がられ、ギャングと商売している様子が、南アフリカの乾いた大地と広がる青空の中で映し出される。この異国情緒あふれる映像美は非常にクールで、SFらしい設定をリアルな世界観で描ききっている点がまず成功していると感じました。容赦ない人体破壊の描写や、ロボット同士の激しい戦闘シーンも迫力満点で見応え抜群。青空をバックにCGキャラクターたちが躍動する映像のクオリティも高いです。

 ただし、序盤の世界観説明から強制移住シークエンス、主人公の変異、実験シーンと続く部分はやや冗長に感じるところもありました。そこから脱出して指名手配された身となり、逃亡しつつ逆転していく展開が本筋となりますが、世界設定の説明が長すぎて構成のバランスは賛否分かれそうです。

 エイリアンの知能や身体能力の詳細があいまいで、なぜ彼らが積極的に反撃しないのか、主人公が浴びた液体が宇宙船の燃料なのにどうしてエイリアン化するのかなど、設定に疑問も。しかし、そうした細かいことを気にせずとも、パワードスーツを使ったアクションの迫力や、主人公とエイリアンとのバディものとしての魅力が満載で、見応えのあるエンタメ作品に仕上がっている1作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2014/04/13 Blu-ray 2021/01/03 U-NEXT

監督ニール・ブロンカンプ 
脚本ニール・ブロンカンプ 
テリー・タッチェル 
出演シャルト・コプリー 
デヴィッド・ジェームズ 
ジェイソン・コープ 
ヴァネッサ・ハイウッド 
シルヴェイン・ストライク 
ジョン・サマー 
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