映画【日本海大海戦】感想(ネタバレ):日露戦争を描く海戦映画

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●こんなお話

 日露戦争勃発から二百三高地や日本海海戦を描いた話。 

●感想

 1904年、日本とロシアの外交交渉が破綻し、ついに日露戦争が始まる。日本海軍は旅順港封鎖を目的とした作戦を開始し、広瀬武夫は船を沈めて回路を塞ぐ閉塞作戦に参加する。連日の襲撃は厳しく、閉塞船は砲火と機雷で次々に沈んでいく。沈没寸前の船で広瀬は部下の杉野を探し、砲撃が続くなかで何度も名前を呼び続けるが見つけられず、そのまま戦死する。彼の死は海軍全体に重い衝撃をもたらす。

 一方、日本海軍はロシア・バルチック艦隊来航に備える必要に迫られていた。連合艦隊司令長官の東郷平八郎は、戦力差を埋めるため訓練を積み重ね、艦隊運用を徹底させていく。ほかの艦長や参謀たちも緊張のなかで作戦準備を続ける。陸軍は野木希典が二百三高地を落とすために多大な犠牲を払っていて、東郷平八郎も現場に駆けつけ激励する。

 その頃、アフリカからインド洋を抜け、東シナ海へ進み続けるバルチック艦隊は、ウラジオストクを目指し長い航路をたどっていた。連合艦隊は彼らの航路を探りつつ、宮古島沖から対馬海峡まで監視線を張り、敵の動きを待ち受ける。

 1905年5月27日の早朝、日本海軍はついに敵艦隊を捕捉する。「敵艦見ゆ」の報告が旗艦三笠へ届き、艦橋に立つ東郷は信号旗で全軍突撃を示す。午後1時55分、三笠は丁字戦法で敵先頭艦を狙い砲撃を開始する。これが日本海海戦の始まりとなった。日本艦隊は相手の進路を断つように攻撃を続け、ロシア艦隊の中央部へ次々に打撃を与えていく。ロシアの旗艦は炎上し、ほかの艦も次々と航行不能に陥る。

 激しい砲火の中で三笠も被弾し、多くの乗員が負傷するが、東郷は落ち着いて指揮を続ける。日本の艦隊は損傷を抱えながらも戦列を維持し、逃走を図る敵を包囲するように追撃した。夕刻には大半のロシア艦が沈没または降伏に追い込まれる。

 夜になると、日本の駆逐艦と水雷艇が夜襲を敢行し、遅れた敵艦を攻撃し続けた。戦いは翌28日まで続き、バルチック艦隊は壊滅状態になる。司令官ロジェストヴェンスキーは負傷の末に艦を降伏させ、戦いは決着する。東郷は司令官を丁重に扱い、連合艦隊は勝利を手に帰還する。海を進む艦隊の姿とともに、明治の日本が世界に示した大きな勝利が描かれておしまい。


 ナレーションが当時の状況や軍事的な進行を要所で説明してくれるため、歴史の流れを追いながら日露戦争の展開を理解しやすい構成になっていると感じました。日本陸海軍の司令部の動きを丁寧に描いており、教材映画としても非常に優れており、120分を通して集中して見ることができました。円谷による特撮パートも重厚で、海戦シーンにはしっかりと迫力があり、娯楽映画としての魅力もきちんと備えている印象です。

 ただし、要素が多く盛り込まれているため、個々の軍人たちの心情が深掘りされる場面はやや控えめで、流れゆく情報を追う感覚が強くなるところもあったように思います。歴史の大きなうねりを描く作品としては理解できますが、人物の内面に寄り添う視点を求めると少し物足りなく感じる部分もありました。

 また、英雄としての軍人像を前面に押し出す描写もあり、その点は好みが分かれるかもしれません。それでも戦記ドラマとしての迫力や構成のわかりやすさは魅力的で、海戦のダイナミズムを観る楽しさのある作品だったと感じています。

☆☆☆

鑑賞日: 2018/09/10 DVD 2025/12/09 U-NEXT

監督丸山誠治 
特技監督円谷英二 
脚本八住利雄
出演三船敏郎 
加山雄三 
仲代達矢 

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