●こんなお話
高校教師が原発からプルトニウムを盗んで原爆を作るけどこれといって要求がなくて、いろいろ考えながら日本政府を脅迫する話。
●感想
ぶっとんだストーリーに勢いのある展開で熱量が伝わってくる熱い映画でした。
生徒たちからバカにされている教師が修学旅行のバスで「陛下にお話がある」とバスジャック事件に巻き込まれて刑事と共に事件を解決する。伝説の皇居に突っ込むバスとかの画面の緊張感とか凄いです。そこから原発からプルトニウムを盗んで原発を作っていく。ここの台詞もなく手作りで原子爆弾を作るという展開を見せていきます。ここらへんの展開も面白かったです。鉄腕アトムの鼻歌を歌いながらプルトニウムの破片を食べて猫が死んじゃったり。
そして原爆を手にしてなんでもできるとなるけれど、特にしたいことがなく。「野球中継を21以降も中継しろ」という脅迫に始まり、ラジオ番組に脅迫内容を相談したり。
主人公がバスジャックで英雄となった刑事を交渉相手に指名して犯人を捕まえようと奔走する。新しい逆探知システムで東京全体の電話をシャットダウンして犯人の位置を特定するとかの設定とかも楽しかったです。そしてこれまた何十台のパトカーとのカーチェイスとかも日本映画らしからぬ大迫力のチェイスシーンが最高でした。
クライマックスの沢田研二さんVS菅原文太さんの直接対決も最高で、テレビ局のヘリコプターを待っているとそのヘリに捕まって拳銃を撃ってくるサイコパスな展開が盛り上がります。ヘリから飛び降りるカットとかもスタントマンの心配をしてしまう高さから飛び降りてました。その後の屋上での戦いも何発も撃たれても立ち上がる不死鳥のような菅原文太さんの執念たるや凄いです。
ただ主人公が原発に忍び込むところだけジャンプカットで簡単に盗めたり、1度奪われた原爆を再び盗むのとかもターザンジャンプで窓ガラスをぶち破って盗み出すのとかも力技すぎて失笑してしまう展開だったり。ラジオDJが主人公を突然追いかけて、主人公を脅迫犯だと見抜いちゃってり、その後の再会するときも偶然見つけて声をかけて…という展開とか勢いがありますが、偶然の転がりが多すぎてヒロインまわりの展開は面白さを感じることができなかったです。
とはいえ150分近い長い上映時間で日本の娯楽映画として唯一無二の映画に仕上がっていると思いました。
☆☆☆☆
鑑賞日:2014/08/26 DVD 2021/05/17 NETFLIX
監督 | 長谷川和彦 |
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脚本 | レナード・シュレイダー |
長谷川和彦 |
出演 | 沢田研二 |
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菅原文太 | |
池上季実子 | |
北村和夫 | |
神山繁 | |
佐藤慶 | |
伊藤雄之助 | |
風間杜夫 | |
水谷豊 | |
西田敏行 |