映画【47RONIN】感想(ネタバレ):忠臣蔵を大胆再構築した異色作

47-ronin
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●こんなお話

 忠臣蔵をモチーフにしたファンタジーな話。

●感想

 森に捨てられていた混血の孤児カイは、赤穂藩主アサノ・タクミノカミに拾われ、城で育てられる。
 異形の出自を持つ存在として城内では疎まれ、武士としての正式な身分も与えられないが、アサノの娘ミカと共に成長し、剣術や教養を身につけていく。

 ある日、将軍ツナヨシが隣国の大名キラ・コズケノスケと共に赤穂藩を訪れる。キラは妖術を操る側近ミズキと結託し、赤穂藩を乗っ取るための策を巡らせていた。
 ミズキは幻術によってアサノを錯乱させ、将軍の前でキラを斬りつけたように見せかける。将軍はこの不敬を重く見て、アサノに切腹を命じる。

主君を失った赤穂藩は取り潰され、家臣たちは浪人となる。カイは捕縛され、出島で奴隷として売られる。キラは赤穂城を占拠し、ミカを自らの政略結婚の道具として支配下に置く。

 一年後、元家老オオイシ・クラノスケは主君の死が陰謀によるものだと確信し、散り散りになった浪人たちを密かに集め始める。オオイシは出島で奴隷として酷使されていたカイを救出し、復讐の計画に加える。

 浪人たちはキラに対抗する力を得るため、禁断の森に住む天狗のもとを訪れる。かつてカイを育てた天狗の師は試練を与え、カイは妖力に対抗できる特別な刀を手に入れる。浪人たちはそれぞれ武装を整え、決戦に備える。

 最初にキラの行列を襲撃するが、それは罠であり、多くの仲間が命を落とす。作戦を変更した浪人たちは、婚礼の余興団に扮してキラの城へ潜入する。別働隊も同時に城外から侵入し、城内外で戦闘が発生する。

 城内でカイはミカを救出し、妖怪の力を解放したミズキと対峙する。激しい戦いの末、カイは天狗の刀によってミズキを討ち取る。一方オオイシはキラと一騎打ちとなり、最終的にキラを討伐する。

 浪人たちは将軍のもとへ自首し、反逆の罪を受け入れる。将軍は彼らの行為を主君への忠義と認め、名誉ある切腹を命じる。ただし血筋を残すため、オオイシの息子チカラのみが生かされる。

 カイを含む浪人たちは主君への忠義を全うして命を絶ち、その行いは後世に伝説として語り継がれている。でおしまい。


 妖術や怪物、巨大な異形の戦士まで登場し、忠臣蔵を大胆にファンタジー化した内容で、情報量の多さに圧倒される作品でした。
 物語は忠臣蔵の基本構造に沿っていますが、殿中事件に妖術が介在するという設定が加えられ、冒頭から独特な世界観が提示されます。

 ただ、主君の切腹までに比較的長い時間を割いており、物語が動き出すまでのテンポはやや緩やかに感じられました。赤穂藩がキラに支配され、大石内蔵助が拘束される展開も含め、世界観の説明を優先した構成になっている印象です。

 天狗のもとで刀を手に入れる場面は物語上の大きな山場ですが、苦労して得た武器の能力が十分に活かされていない点は少し惜しく感じました。また、敵味方ともに多くのキャラクターが登場するものの、戦闘の中であっさり退場してしまう人物も多く、感情移入の余地は限られていました。

 終盤の城内戦は映像的には派手で見応えがありますが、忠臣蔵としての重みとファンタジー映画としての独自性、その両立は難しかったようにも感じられます。最終的に描かれる四十七士の切腹は、映像として直接的ではないものの、想像力を刺激する厳粛な締めくくりでした。

 日本の伝承をハリウッド的解釈で再構築した試みとしては興味深く、独特の世界観を楽しみたい方には印象に残る一本だと思います。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/12/09 TOHOシネマズ南大沢 2014/05/10 Blu-ray 2026/02/07 U-NEXT

監督カール・リンシュ 
脚本クリス・モーガン 
ホセイン・アミニ 
ウォルター・ハマダ
出演キアヌ・リーヴス 
真田広之 
浅野忠信 
菊地凛子 
柴咲コウ 
赤西仁 
田中泯 
ケイリー=ヒロユキ・タガワ 
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