●こんなお話
環境破壊が進んだ地球で巨大植物を止めるために空挺部隊が遺伝子弾を撃ちこむミッションをするけど邪魔が入ってロボットとか未確認生物と戦ったりする話。
●感想
環境破壊が進んだ近未来、人類は自らの過ちの代償として暴走する植物に直面する。その拡大を止めるため、空戦部隊がミッションに投入される。空にはツタが絡み、次々とヘリが墜落。決死の出撃となるが、ようやく作戦成功かと思った矢先、味方であったはずのロボットが突如反旗を翻し、通信も断絶。司令部ではプランBへの切り替えを余儀なくされる。
だが、主人公たちは諦めることなく、自らの手で任務を完遂しようと再始動する。負傷した仲間を病院へ搬送するも、そこでも謎の巨大昆虫に襲撃される。絶体絶命のその時、司令部にいた通信士が救出に駆けつけ、さらにかつて命令違反で部隊を去った元戦友までもがドライバーとして再登場し、彼らの再会と共闘が描かれていく。
人類最後の希望は、植物の遺伝子構造を変化させる遺伝子弾。主人公たちはそれを病院から脱出して崩壊寸前のビルへ向かい、危険を顧みず確保に成功する。その過程で、ロボット軍団が敵側に回っていた裏で上官の思惑が絡んでいたことも発覚。だがすぐにロボットの反撃により現場は混乱し、上官の行動の真意が伝わる前に彼もまた戦場に消えていく。
主人公たちはパワードスーツに身を包み、植物、昆虫、ロボット、そして戦車とあらゆる敵と正面から向き合いながら、なんとか遺伝子弾を撃ち込むミッションを遂行。暴走の中心部で暴れる植物の動きを停止させ、人類存続への一筋の光をつかむことになる。
全体としては、巨大昆虫との肉弾戦、ロボット軍団との銃撃戦、戦車による追撃アクションなど、アクションの連続に胸が高鳴りました。ほぼ全編がCGアニメのようなビジュアルで構成されており、キャラクターたちがスローになってナイフで切り結ぶ場面や、装甲車の上で激突するシーンなど、まるで映像の暴風雨の中に放り込まれるような没入感がありました。
とりわけ、崩壊するビルの中を駆け抜けていくシークエンスや、高速道路での逃走劇、クライマックスのロボット&戦車との攻防を経ての遺伝子弾発射の流れは、テンポよく見せ場が連続し、アクション映画として非常に満足度が高かったです。
その一方で、登場人物たちの背景や感情に深く踏み込む描写は控えめでした。通信係の女性と前線にいる若手兵士との間にドラマが生まれるかと期待したものの、別れの瞬間や心の動きがさほど描かれなかったのは少し物足りなく感じました。また、植物の暴走がもたらす社会の状況についての説明が少なく、市民が逃げ惑う姿も断片的で、世界観全体の生活感がやや希薄にも見えました。
少女を救出するくだりにしても、その存在理由や過去の描写がなく、彼女がどこから現れたのかが曖昧なままで終わっていた印象です。さらに、主人公たちの行く手を阻もうとする勢力が現れる展開にも興味をひかれましたが、その登場と退場があっさりしていて、もう少し掘り下げがあるとドラマ性が高まったのではと感じます。
とはいえ、勢いと熱量に満ちたビジュアルとアクションで2時間があっという間で、特に映像の密度と迫力はスクリーンでこそ映える作品だと思いました。
☆☆☆☆
鑑賞日:2022/12/03 NETFLIX
監督 | ン・ユェンファイ |
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脚本 | ラウ・ホー・レオン |
マク・ティンシュー |
出演 | ルイス・クー |
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ラウ・チンワン | |
カリーナ・ラウ | |
フィリップ・キョン | |
ニック・チョン |