映画【パシフィック・ウォー】感想(ネタバレ):戦争とサメ、そして裁判

uss-indianapolis-men-of-courage
スポンサーリンク

●こんなお話

 広島へ投下する原子爆弾を運んだ巡洋艦のインディアナポリスの沈没したときの話。

●感想

 冒頭から、見る側の気持ちをそぐようなCGの戦闘シーンが続き、なかなか入り込むのが難しいスタートでした。リアルさを求める戦争映画としては、やや迫力不足な映像で始まり、期待感を一気に下げてしまうものでした。そこから舞台は第二次世界大戦下のアメリカ軍艦「インディアナポリス」へ移る。乗組員たちの何気ない日常が描かれたのち、原爆をテニアン島まで極秘に運ぶという重大なミッションが下され、物語は大きく動き出します。

 やがて日本の潜水艦によってインディアナポリス号は撃沈され、ここからは戦争映画から一転して、サメの襲撃を描くサバイバル作品へと変化する。さらに物語の終盤では、法廷劇の要素も加わり、ジャンルをまたぐ構成となっていました。

 日本側の視点も丁寧に描かれており、戦後の処理や当時の国際情勢についても少し知ることができたのは良かったです。ただ、どの要素も薄味に感じられ、特にサメの襲撃シーンはジャンルの切り替えが唐突すぎて、作品の一貫性が失われていたと思います。漂流し続けるシーンが長く、展開も乏しいため、観ていてどうしても中だるみしてしまいました。

 登場人物たちも、印象に残るキャラクターが少なく、名前や顔が一致しにくいのが難点。もう少しキャラクターの掘り下げがあると感情移入できたかもしれないです。

 とはいえ、インディアナポリス号で何が起きたのかを知るという意味では、非常に価値のある映画。歴史的背景を学ぶきっかけとしては有意義な作品だと思います。

☆☆☆

鑑賞日: 2017/08/03 Blu-ray

監督マリオ・ヴァン・ピーブルズ 
脚本キャム・キャノン 
リシャール・リオンダ・デル・カストロ 
出演ニコラス・ケイジ 
トム・サイズモア 
トーマス・ジェーン 
コディ・ウォーカー 
マット・ランター 
ジェームズ・レマー 
竹内豊 

コメント

タイトルとURLをコピーしました