映画【海を感じる時】感想(ネタバレ)

Umi wo kanjiru toki
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●こんなお話

 好きになった男の人をひたすら追いかけるけど、振り向いたら突き放す話。

●感想

 120分、長回しに極力説明を排して音楽もなくボソボソと喋り間をたくさん取ってシーンが描かれるので、相当集中してみないと眠りそうになりました。
 物語は高校時代の回想と現代の2つの時代が同時進行で描かれていきます。テロップや台詞での説明がないので混乱しそうですが、シーンを見てると時代の違いがわかるのがさすがでした。

 主人公は高校生の時に男の子からいきなり「キスさせて。好きじゃないけど」という男の子に言われて、その子を好きになる。「好きじゃなくてもいい。抱いてくれるだけでもいい」と男の子を必死に追いかけていく様子が描かれます。
 今の時代に見るとストーカーに見えそうですが、恋愛のために全てを捨てるという決意が凄かったです。
 2013年現在からみると好きだから付き合う。嫌いだから付き合わないという感覚で見てしまいそうですが、「付き合わないけどキスはさせて」という気持ちもわからなくはないです。

 恋愛と同時に主人公の母の存在が強烈なキャラクターとして登場します。ひたすら「汚らわしい! 淫らなこと」と主人公の目の前に立ちふさがります。
 母親が主人公の食事を捨て、主人公が男の子の食事を捨てるという連鎖。
 潔癖で厳格な母親の前で四つん這いになって無言でせんべいを食べる主人公。まるで母親の前で男を食べているかのようなシーンが印象的でした。

 ちょっとこの内容で120分は長すぎで、もう30分短くても個人的にはよかったと思いました。それに時代背景がよくわからず、流れてくる音楽や読んでいるのが朝日ジャーナルというので少し昔の時代なんだとわかりました。
 そして結局、この主人公たち2人が結婚したらどうなっちゃうんだろう? と思う映画でした。

☆☆

鑑賞日: 2014/09/14 テアトル新宿

監督安藤尋 
脚本荒井晴彦 
原作中沢けい
出演市川由衣 
池松壮亮 
阪井まどか 
高尾祥子 
三浦誠己 
中村久美 

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