映画【二十四の瞳】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 小豆島へ赴任した先生と生徒たちの交流と戦争で残酷なことになる話。

●感想

 小学1年の担任となった大石先生と12人の生徒たちの物語。150分という長い時間ですが物語の最後にある謝恩会。そこに集まって思い出を語るところで涙がこぼれそうになります。何回見ても。というか、序盤から最後まで泣けます。

 序盤の小学1年時代ですが、この子どもたちのナチュラルなお芝居が素晴らしく可愛いさ全開です。大石先生に会いたいとみんなで大石先生のもとへと遠出するシーンで、バスに乗った先生を見つけたときの嬉しさ。
 そして成長していきますが、貧困という問題が発生して家の事情とかで学校に通えなくなる生徒が出てきます。この時に、みんなを見送る生徒の涙する姿とかも感動してしまいました。
 しだいに戦争の機運が高まり、男の子たちはみんな軍人になりたいと言う。戦争で死んでほしくないと正直に自分の気持ちを言うとアカだと疑われる時代。大石先生は正直に生きようとします。けれども出征する生徒たちを見送らないといけない。
 そして20年見守ってきて、最後の謝恩会。全員はそろわない、戦争で死んだ者音信不通の者。そして失明した磯吉の心の中で甦る1枚の写真。皆で撮った写真を指さし、まるで見えているかのように同級生の名前を言うところは涙なくしては見られなかったです。
 どんな困難があっても、皆の心の中と同じ景色で、失われなかったもの。
 思い出すと、最初のシーンで先生に1人1人名前を呼ばれる時の生徒たちのキラキラした眼を思い出すだけで泣きそうになります。

 ちょっと今の映画に慣れてしまうと、シークエンス自体は少ないのに歌がまるまるフルコーラスで入っていてちょい長いかな? と思ってしまいましたが。この歌が時代と共にしだいに軍歌へとなっていくという窮屈さが印象的でした。あんだけ楽しかった歌がどんどんと変わっていく。

 開始30分あたりからずっと泣きそうになってしまう映画で素晴らしかったです。

☆☆☆☆☆

鑑賞日: 2013/04/25 Hulu

監督木下恵介 
脚色木下恵介 
原作壷井栄 
出演高峰秀子 
天本英世 
八代敏之 
木下尚寅 
夏川静江 
笠智衆 
浦辺粂子 
明石潮 
高橋豊子 
小林十九二 
草香田鶴子 
清川虹子 
高原駿雄 
浪花千栄子 
田村高廣 
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