映画【ツナグ】感想(ネタバレ)

Until the Break of Dawn
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●こんなお話

 死者と再会できるチャンスを得た人たちとそれを仲介する職業の人の話。

●感想

 満月の夜にだけ望んだ死者と会えることができるという設定は面白いです。そしてその能力の主人公が、果たして死者と会わせて後悔させてしまったのではないか? また自分の両親の過去にいったい何があったのか? というのを見せながら、死んでしまった人たちと再会した人たちの変化を見せていきます。

 短編のようにいろんな人たちが出てきて、感動の再会をしていきますが。問題なのは、その人物たちの背景があまり描かれないので。死者と再会して泣きながら抱き合われて感動的な音楽が流れても見ているこっちは何の感情の動きが感じられませんでした。
 演劇部の女の子が、親友を殺してしまったのは自分ではないのか? と悩むのは描かれてよかったですが。他の人たち、母親に土地の証明書の場所を聞こうとするおじさんや失踪してしまった婚約者を探す男性などは一体なんだったのか? 失踪した女性を探す若い男性なんて生きてるのか死んでるのかもわからないのにツナグに頼んでくるのがわかりませんでした。そして結果を聞いても特に何の反応も示さないし、確かに覚悟はしていたかもしれませんがもっと何か動きを見せてほしかったです。

 そして主人公自身の悩みである両親の死に関することも、最後の最後に明らかにされますが。その理由も、とってつけたようなものなので笑いそうになってしまいました。

 やたらとフェードアウトが多くて流れがぶつ切りになってしまうのも時間を感じさせてしまう要因だったと思います。できることなら、1組を深く描き、死者との関係はどうだったのか? いったい何が昔にあって、そして死者と会うことによってどう変化していくのかを見たかったです。

☆☆

鑑賞日:2012/10/04 試写会

監督平川雄一朗 
脚本平川雄一朗 
原作辻村深月
出演松坂桃李 
樹木希林 
桐谷美玲 
橋本愛 
大野いと 
遠藤憲一 
別所哲也 
本上まなみ 
浅田美代子 
八千草薫 
仲代達矢 
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