ドラマ【TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ シーズン1】感想(ネタバレ):猟奇殺人と人間ドラマが交錯する傑作サスペンス!刑事たちの過去と現在を描くシーズン1

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●こんなお話

 猟奇連続殺人を追いかける2人の刑事の話。 

●感想

 物語は、森の中で発見された、鹿の角を頭部に装着された女性の遺体から幕を開けます。この猟奇殺人事件の捜査を担うのは、2人の刑事。ひとりは非常に理知的ながらも変わり者で、社会生活においてはどこか浮世離れした存在。もうひとりは、人当たりが良く人望も厚いものの、女性関係に問題を抱える人物です。

 過去の事件捜査の様子と、警察を辞めた現在の彼らが事情聴取を受けている現在のシーンが交互に描かれていきます。序盤はこの時間軸の切り替えが頻繁に行われ、集中力を試されるような構成となっていますが、その分、物語の真実が徐々に浮かび上がってくる過程に深く引き込まれていく構造が見事だと思いました。

 捜査は、同様の手口で殺された他の被害者の家族から情報を得ることで新たな容疑者に迫りますが、なかなか逮捕には至らず。その中で、過去に変わり者の刑事が潜入捜査をしていたことが明らかになり、再び自ら潜入捜査に乗り出す展開へ。森の中のアジトにたどり着いたとき、そこには監禁された子どもが。激昂した刑事たちは犯人をその場で射殺し、一件落着かと思われます。

 しかし、その後、もう一人の刑事の家庭問題が浮上。浮気が発覚し、妻との関係がこじれ、主人公同士で激しい喧嘩を繰り広げ、ついには一人が警察を辞職。

 物語はやがて現代に戻り、同様の事件が再び発生。事情聴取を受けていた元刑事たちは、捜査への再参加を決意し、再びタッグを組んで事件に挑みます。捜査を進めるうちに、背後には宗教団体の存在が浮かび上がり、幹部への聞き込みを経て、事件の鍵を握る「イエローキング」と呼ばれる塗装業者にたどり着きます。

 最後の対決では、命を賭して犯人を追い詰め、ついに射殺に成功。重傷を負いながらも、二人の刑事は病院から抜け出しておしまい。

 本作は、単なるサスペンスや猟奇事件の捜査にとどまらず、2人の刑事が人生を通して何かを「気づく」ためのドラマとして非常に奥深く、視聴後の余韻も長く残る作品でした。

 とりわけ、事件の舞台や犯人の住居の美術セットは非常に完成度が高く、わずか数シーンであっても観る者に強烈な印象を与える出来栄えでした。また、事件そのものの謎解きだけでなく、主人公たちの人間的な葛藤や成長にフォーカスされている点が、本作を単なる刑事ドラマとは一線を画す名作たらしめていたと感じます。

☆☆☆

鑑賞日:2018/08/12 Amazonプライムビデオ 2024/08/21 U-NEXT

監督キャリー・ジョージ・フクナガ
脚本ニック・ピゾラット
出演マシュー・マコノヒー
ミシェル・モナハン
ウディ・ハレルソン

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