●こんなお話
終末世界でニンジャ軍団の和平を願っていたトップが殺されて主人公一族に濡れ衣がかけられて逃走する話。
●感想
長きにわたり争いを続けてきた複数のニンジャ一族が登場する世界を舞台に始まります。ある時、ニンジャたちを統べる長が「いまこそ内輪揉めをやめ、外の脅威に備えよう」と呼びかけ、全ての一族を一堂に集めて演説を行います。しかし、その平和への願いが届く間もなく、突如として彼の頭に手裏剣が突き刺さり、悲劇的に命を落とす。
そこから状況は一変し、主人公の一族がこの暗殺の犯人として濡れ衣を着せられて、無実を証明する術もないまま、主人公たちは脱出を余儀なくされ、地下の深層から地上を目指して決死の逃走劇を開始します。
逃走経路は驚異的に広大かつ複雑で、彼らは層ごとに待ち構える強敵たちに立ち向かわなければなりません。ゾンビのような怪物軍団や、妖艶な美女たちによるお色気部隊など、ジャンルの枠を超えた異様な敵たちが次々と襲いかかり、仲間たちは一人、また一人と倒れていく。主人公は仲間の犠牲に心を痛めながらも、真実を明らかにすべく戦い続けます。
そして実はニンジャ軍団の重鎮のひとりが、シェイプシフターであり、主人公に化けてボスを暗殺した真犯人だったことが明らかになります。その裏切り者は「和平など軟弱だ」と叫びながら、宙からさまざまな武器を召喚し、さらにはエネルギーを操るなど、もはやニンジャというより超能力者のような力を発揮して主人公に襲いかかってくる。
壮絶な一騎打ちの末、主人公はついに宿敵を打ち倒します。その姿を見た、当初は主人公を疑っていたライバルも彼の正義を認め、和解と信頼を取り戻しておしまい。
作品全体としては、ニンジャというテーマでありながらも、手からエネルギーを放出したり、空中に武器を呼び出したりと、かなりSFやファンタジー的な要素が強く、従来のニンジャ像からかけ離れた設定に若干戸惑いを感じました。また、地下からの脱出というプロットや、似たような個性的なグループが次々と登場する流れは、映画『ウォリアーズ』を彷彿とさせ、オマージュともいえる作風にやや苦笑してしまう場面もありました。
しかしながら、アクションシーンそのものは非常に見応えがあり、低予算感を感じさせないスピード感と迫力がありました。次々と異なる敵とのバトルが展開され、観客を飽きさせない工夫が凝らされており、アクション好きの方には満足できる内容だと思います。
☆☆
鑑賞日:2024/08/22 U-NEXT
監督 | リロイド・リー・バーネット |
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脚本 | アシュリー・スコット・メイヤーズ |
出演 | クリスチャン・オリヴァー |
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ケイリー=ヒロユキ・タガワ | |
アーニー・レイズ・Jr | |
アイザック・C・シングルトン・Jr |