映画【TOKYO TRIBE】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　東京23区がそれぞれ戦国大名みたいな争いをしている世界で、大司祭っていう支配者の娘さんが失踪して彼女を探すために23区それぞれを占領し始めて、みんなで一致団結して戦う話。

●感想

　極彩色豊かな映像に無国籍なセットにラップを交えての展開に独特な雰囲気の映画に仕上がっていました。
　漫画の世界を見ているかのようなもので面白かったです。アクションシーンも物凄くて、トンデモ兵器がいっぱい出てくるのも楽しいですし、クルクル回りながら戦う役者さんたち素晴らしいです。長回しの中、モブシーンもたくさんあって画面の迫力凄かったです。

　ただお話のほうが110分ほどですが、開始70分くらい経ってから、拉致されて無理やり風俗で働かせそうになる姉妹と平和を愛するムサシノのメンバーがブクロに拉致されるというところから話がコロガリ始めると思いますが。そこまでが膨大な登場人物の紹介で「3部作の1作目なのかな?」と思ってしまうくらい話が進まない印象でした。
　シンジュクやシブヤにチームがあってそれぞれがラップして、竹内力さん演じるヤクザの親分が更にその上にいて、その息子さんや部下もそれぞれラップして。と、物語が半分すぎても誰が主人公で何の話か理解できなかったです。
　そのため、中盤からムサシノのリーダーが主役で更には失踪した娘さんと合流してトウキョウを支配しようとする新しいグループが攻めてきてやっと面白くなって行く感じで、ちょっと登場人物減らしてもよかったと思いました。

　とはいえ、鈴木亮平さんの相変わらずの肉体美は凄いし、竹内力さんの顔面の筋肉どうなってるんだろう?　というノーブレーキのお芝居はきっと現場みんな楽しいんだろうなというのが伝わってくるし、園子温監督らしい女優さんの魅力もいっぱいで、めっちゃ強い姉妹がくるくる回りながら戦う姿は熱かったです。
　独特の世界を作った美術さんたち、ラップを作ったミュージシャン、アクションを作り上げたスタントチーム、やられ役の人とかも頭から落ちたりして凄かったです。群衆を整理した助監督さんたち。みなさん素晴らしい仕事が堪能できる1本でした。

　開始0分からラストまでハイテンションなのでグッタリしてしまいますが、笑える映画だったと思いました。

☆☆☆

鑑賞日: 2014/08/31　TOHOシネマズ南大沢　 2015/03/27　TSUTAYA　TV