●こんなお話
15年前の事故がきっかけに連続殺人が起こって解決しようとする人たちの話。
●感想
15年前に子どもたちが関わった悲劇的な事故から始まり、そこから時間を経て、当時の関係者が現在次々と何者かに殺害されていくという。
事件の捜査を担当する主人公自身も次第に容疑者として疑われる立場に追い込まれてしまい、信頼していた同僚や上司、そして警察内部からさえも追われるという過酷な状況に。しかしながら、無実は証明され、彼の潔白は明らかになります。
物語の後半では、主人公のかつての師匠が事件に関与しているのではないかという疑念が浮上し、さらに子どもたちを支援する企業の経営者が、15年前の事件と深く関わっていたことが主人公の恋人の調査によって徐々に明らかになっていく。
また、主人公の娘は掃除会社でアルバイトをしながら父親との関係に葛藤を抱えており、家族のすれ違いや再生も大きなテーマとして描かれます。過去の少年少女たちが成長し、大人になった現在の姿で巻き込まれていく事件の中で、それぞれのキャラクターの内面が丁寧に描かれている点も本作の魅力と思います。
物語はクライマックスに近づくと、真犯人がついに明かされ、予期せぬピンチに登場人物たちが追い詰められていく。主人公もまた、信頼してきた師匠がそのような事をするはずがないという思いと、目の前の現実との間で激しく葛藤しながら真相に迫っていきます。
ただし、物語の序盤では登場人物が一気に登場し、名前もファン・イーレン、シュー・ハイイン、シャオモン、チェン・ゲェンハウ、ミーチュン、チアイン、チンルイ、チャン・ヤンユ、リン・ミンチェン、ユエン、シュエ、シンパイ、リャオなど似た響きの名前が続くため、誰が誰なのか、そしてどのような関係性を持っているのかを把握するのにかなりの集中力を要しました。登場人物の多さと名前の把握に苦戦しました。
事件の構造としては、15年前の悲劇と現在の殺人事件が密接に関わっていることが徐々に解明されていきますが、最終的な真相に至っても大きな驚きというよりは、「今までなぜわからなかったのか?」といったトンデモ展開に感じてしまった部分も否めません。
しかしながら、親子の確執や再生、過去と現在の繋がり、そして個々のキャラクターが抱える想いの交差は見応えがあり、複雑な人間模様を堪能できる作品であることは間違いありません。
☆☆
鑑賞日:2024/08/07 NETFLIX
監督 | デビッド・ジュアン |
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チェン・グアンジョン |
出演 | ジョセフ・チャン |
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アン・シュー | |
ジェイソン・ワン | |
ムーン・リー | |
ディーン・フジオカ | |
ターシー・スー |